阿武隈の紅葉漬
阿武隈の紅葉漬


阿武隈の紅葉漬

阿武隈の紅葉漬午前6時起床。浅草はくもり。阿武隈の紅葉漬が食いたいなと言っていたら、届いた。そんな都合のよいことがあるのかと思われるかもしれないが、あるのだからしょうがない。まあ〈願い〉は口に出してみるものなのだな。

紅葉漬は福島のパトリフードであり私の無意識層からふと湧き出る記憶である。これは福島紅葉漬株式会社の製造だが、私の知っているものは違うところのものであった。

それはたぶん魚勝 石見屋という店で福島の街中に店を構えていたはずだが、石見屋はもうなくなってしまったのかもしれない(私の学友の実家だった)。しかし食べてみれば同じ味がしたので、製造は同じところなのかもしれない。まあこういう味の記憶はいい加減なものなのだけれども。

紅葉漬は生鮭の麹漬けである。紅葉の頃に漬け込むので「紅葉漬」と呼ばれているらしいが、鮭と麹のしっとり感が素晴らしい。酒肴にも温かいご飯にもよくあう。冷蔵技術の発達のおかげか昔よりも塩辛さが抑えられているように感じられる。

いかにんじん

いかにんじん
いかにんじん

一緒にいかにんじんも届いた。人参とスルメの醤油漬である。これも福島のスーパーパトリフードである。酒肴にもよいがお茶請けにすると箸がとまらない。しかしうちでつくろうとしてもつくれない。なぜなら肝心の長細いにんじんが手に入らないからで、つまりはこれ強烈な地場産品なのである。なので毎年いただきものに頼っている。まったくシンプルなたべものであることで、スルメと人参のうまさが際立つ。歳を重ねる度に、こういう直球のような(しかし絶対に直球ではない)ものが性にあってくる。