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秋刀魚の刺身という直球
2007年9月6日の夕餉は、久しぶりに札幌の吉在門まで出張った。 吉在門(の親方)の創意工夫の利いた料理(創作料理)は、いつもあたしを楽しませてくれる。
けれど今回の怒涛の逸品は、直球、それもど真ん中のストレート、サンマの刺身なのである。今年の秋刀魚はうまい!
「目黒のさんま」のお殿様は、百姓が焼いていた(生きの悪い)秋刀魚のうまさに驚愕したのだが、今の時代ときたら、(平民のあたしでさえ)秋刀魚の刺身を普通に食べていたりする(あたしのようなものが、さんまの刺身を食べるようになったのは、つい最近のことのはずだ)。
「目黒のさんま」の時代、秋刀魚の刺身なんて(どんな階級的特権を駆使しても)食べようなどとはしなかったろう。それが今の時代は「食えてしまう」のである。これを「社会的な進化」と(あたしは)いってしまう(進化は食が象徴する)。