建設産業の再生に向けた当面の基本スキーム
建設産業の再生に向けた当面の基本スキーム
引用 「市場原理で放置できない」、建設業再生へ基本方針|日経BP社 ケンプラッツ


午前7時45分起床。浅草は晴れ。たぶん明日の内閣改造で退任してしまう(だろう)馬淵国交相は、退任させるには些かもったいない大臣なので、少しだけ書いておくことにした。

馬淵国交相もっともあたしとは、基本的に考え方が違うし、なんでここだけ同じなんだ、という疑問は有るのだが。

馬淵国交相は、「建設市場が縮小するなか、地域の担い手である建設会社が市場の原理で淘汰されていくのを放置しておいてよいのか」という危機意識を持っている。

これだけでも凄い人なのだが、「建設産業戦略会議」を開き、2011年1月6日の第3回会合で基本方針をまとめたのだ。

その基本方針は、「単に市場に任せるだけでは、地域が必要とする建設企業の存続は困難」との認識のもと、地域の建設会社が担う事業の安定的な確保や、「地域維持型契約方式」の導入などを検討事項に掲げたのである。

国土交通省の大臣が、このような見解を示したのは、林寛子(扇千景)大臣依頼、初めてのことだと(あたしは)思う。いってみれば、大手と中小を2つに分けて考えているわけで、大手を中心としての反対は当然有るだろう。

それよりもなによりも、建設産業戦略会議は今後、基本方針に基づいて具体策を議論し、入札契約制度の変更など、国交省内でできる施策は3月中にまとめる、としているが、果たしてそれは出来るのだろうか。

建設業法などの、法改正を伴う施策を含めた全体像は6月までにまとめ、2012年度予算や税制改正に反映していく方針だそうだが、果たしてそれは可能なのだろうか。

折角おもしろい施策を掲げた大臣なのだから、できれは続けて欲しい。しかし、問責決議は可決されているわけだものね。

■基本方針に掲げた検討事項案

 1.地域社会の維持に不可欠な建設企業の再生
 (1)地域建設企業が担う事業の安定的な確保
 (2)ダンピング対策等についての地方公共団体等での実行の強化
 (3)透明性を確保した地域維持型の契約方式の導入
 (4)国等の支援による新事業発掘や事業化の促進、新分野進出支援

2.建設生産を支える技能・技術の承継の確保
  (1)保険未加入企業の排除
  (2)重層下請け構造の是正と直接的・安定的に労働者を雇用する企業の重視
  (3)都道府県、関係省庁と連携したコンプライアンス(法令順守)の強化
  (4)技術者制度の見直しと技術者の育成支援

3.大手・中堅企業による技術力・事業企画力の発揮
  (1)海外展開のためのリスク軽減策の導入等支援策の強化
  (2)CMの制度化等による新たな国内市場の創設、マネジメント力の強化
  (3)参加企業の絞り込みと企業の成長につながる技術力等を重視した契約方式の実施
  (4)民間発注工事等における建設企業の立場の強化

 4.過剰供給構造の是正
 (1)優れた技能者や技術者を有した企業の育成と不良不適格業者の明確化とその排除
 (2)市場への参入要件
 (3)企業再編・転業・廃業時の支援