藻琴湖の牡蠣
午前5時10分起床。浅草はくもり。今年も宮田さんから「藻琴湖の牡蠣」が届けば、これ幸いと、あたしの幸せな時間を楽しもうと、ロゼのワインを開け、牡蠣は酒蒸しにして早速いや、うまいのなんのって、あたしの幸せな時間なんて、この汽水湖生まれの、色っぽい姿を見ることだけで、十分やってくるものなのだ。
今年のレモンは広島県産の「瀬戸内 広島レモン」と決まっていて、その国産のレモンを搾ってかけてやれば、何時もと違う、そのツンとこない、柔らかな酸味に、「藻琴湖の牡蠣」がまた合うのである。
酒で蒸されて開いたその殻から、実を取ってやる行為でさえ、どこかで、やってはいけないことではないのか、などと考える程、1年生(サイズS)の小さな牡蠣は華奢に思える。
一方、2年生の「藻琴湖の牡蠣」は、少しは安定した
しかし、青いレモンを絞る指先でさえ、何時の間にかしょぼしょぼになり、あたしの幸せな時間は、牡蠣の殻の山の前に終わりを迎えるのである。
今年も、あたしの幸せな時間をありがとう、とこの「藻琴湖の牡蠣」に礼をいうが、そんなことよりも、まずは宮田さんだよ、と酔ったあたしを少しもどかしく思うのだ。