洋風かきあげ
午前7時30分起床。浅草はくもり。昨日のランチは、ウイルコムでの機種変更の待ち時間に、神田 松栄亭の洋風かきあげを食べた。
この洋風かきあげは、油でじっくり&カラット揚げた、ラグビーボール形のお好み焼きのようなもの、という表現でいいだろう。(中身はしっとりである)。
かの夏目漱石も食べたという100年を超える歴史をもつこの店の名物である。ウスターソースをかけて食べるのだが、世の中にうまいものが溢れている今時分、その味覚はいささか古臭いものだ。
食べながら、これは洋食のシーラカンスのようなものなのだろうな、と思う。つまり、洋食のようなものが、それぞれの店で試行錯誤されていた時代に生まれて、そのまま生き残ってしまったのじゃないのだろうか。
松栄亭
松栄亭は、昔の呼び名で言えば、神田連雀町にある。この一画の、裏浅草をずっと上品にしたようなところで、そのどこか気取った雰囲気が(私は)好きだ。
松栄亭は、名の通った洋食屋ではあるが、内の近所に負けず劣らず勘定は安い。今風に言えばリーズナブルである。
三人連れで松栄亭へ行き、食事をした。三人それぞれに好きなものをとり、それを三等分して食べた。
まず、野菜サラダをふた皿。
ポークカツレツが一、串カツが一、この店の名物・洋風かき揚げが一、カラーライスが一、ドライカレーが一、オムライスが一。それに酒を四本のんで、三人とも腹いっぱいになり、勘定がいくらだと思うだろうか……。
金三千六百四十円である。(池波正太郎:『散歩のとき何か食べたくなって (新潮文庫)』:p40)
池波正太郎の時代に比べれば、量も少なくなり、値段も高くはなっているだろうが、壁にかかった品書きと値段をみて、私はニュー王将(浅草5丁目)を思い出してしまった。
しかし店の雰囲気はまるっきし違う。雰囲気はグリル グランド(浅草3丁目)に近い。つまりグランドさんの雰囲気で値段はニュー王将なのである。
できれば、池波正太郎のように、3,4人で出かけていって、あれやこれやと品数多く頼み、酒でも飲みながら楽しみたい店だな、と思う。
松榮亭 (洋食 / 淡路町) |
Comments [3]
No.1みるきいさん
20数年前学生の時に一度行ったことがあります。
かりふわなかきあげはおいしかったのですが、学生にとっては贅沢な値段でした。でも、ガイドブック等を見ると今は私にとって贅沢どころか、桃知さんのお書きになっているようにリーズナブルなんですね。
もし、数人でいかれて楽しまれる時には私も是非まぜていただきたいです。
No.2momoさん
>みるきいさん
流石ですね。
既に訪問済みでしたね。
是非、ご一緒しましょう。
それからこの神田連雀町界隈では、やはり甘味の竹むらでしょうか。
栗ぜんざいとお土産のあげまんじゅう。
ん~、食べたい。(笑)
ここも是非、ご一緒しましょう。
No.3なつめさん
洋風かきあげは漱石が店主に「何か変わったものを」ということで注文して特別につくってもらったものが残ったそうですよ^^