ポートエレン PORT ELLEN 1982年
ポートエレン PORT ELLEN  1982年


ブラッカダー BLACKADDER 1965年
ブラッカダー BLACKADDER 1965年

見聞録のカウンター午前6時40分起床。浅草はくもり。4月30日の夜、最後にあたしをぶち壊してくれた2本のお酒。ポートエレン PORT ELLEN 1982年とブラッカダー BLACKADDER 1965年(下河原さんの生まれた年)。どちらも地図と暦をもった酒であって、呑む者に「余所者」を感じさせずにはいない。

酒は〈世界〉である。浅草のなんだかわからないハイボールだって地図と歴史を持っている。この舶来の酒の前では、たんなる「余所者」でしかないあたしは、あたしの地図と歴史をもって、この違う〈世界〉に挑む。

そう酒のみは勝負なのだ。けれどそれは、最初から勝ちのない勝負でしかないのだけれども。

ポートエレン

ポートエレン1982年は美しい酒だが、後からやってくる刺々しさこそがすばらしい。くっと呑んで、最後に「ばかやろー」がやってくる。

これは余所者を窘める酒である。地図と暦の違いをはっきりと示す。ただ、ホッピー文化圏で安酒ばかり呑んでいるあたしでも(だからこそか?)、その「ばかやろー」が強烈にうまく感じるわけで、つまりあたしには馬耳東風、馬の耳に念仏なのだ。紳士の嗜みもヘッタクレもなく、ただグイッと飲み続けるのでる。ああ、もったいない。

ブラッカダー

さらにもったいないのがブラッカダー1965年で、これはBottle number 39 of 194とナンバリングされているように希少種だ。

ブラッカダーはボトリングの際にほとんど濾過をしないそうなので、ボトルの中には色々入っている。しかしそれも地図と暦の主張なのであって、この酒の前では余所者感はさらに強くなる。けれどこれ、あたしが今まで呑んだこの手の酒では、間違いなく一番肌があうのだな。

なのでついつい調子に乗ってしまい、翌朝目覚めれば、自己嫌悪に陥るぐらいにべろべろである。完敗である。ああー。

今回の発見

南部せんべいがこの手の酒にあうことなんて、盛岡で呑まなければ一生気づかなかっただろう。そして、しどけあいこは、あたしにはなんだかよくわからない(地図と暦が違う)食い物なのだけれども、これもいい。そうして、これはいけてるなぁ、これもいけてるなぁ、など言いながら、ついつい調子に乗ってしまうあたし。ああー。

南部せんべい しどけとあいこ

見聞録

あぁ、見聞録はいいなぁ。この店、浅草にあったら毎日通っているかもしれない(身体は絶対にもたないけれども……)。

見聞録 見聞録

見聞録
盛岡市南大通2丁目6-12
019-622-4351
見聞録
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