Blaze  1964
Blaze  1964  © 2006 Bridget Riley. All rights reserved.


午前7時起床。浅草は曇り。ブリジット・ライリーのオプ・アート※1 を見ていて、Blaze は浅草の構造だよなと思う。空虚な中心と、その中心から広がる(若しくは中心に向かって進む)フラクタルに展開される路地。※2

しかしこの解釈は正しいわけもなく、なぜならライリーのアートは表現の解釈を求めているわけではないからだ。、この絵に解釈の必要はない。ただ見ているうちに目がちかちかしてきて、山と谷の区別がつかなくなり、なにか余計なものまで見えてくる。それは目眩であり、感覚表層に現れる視覚刺激との戯れである。この絵を楽しむこととはそういうことだろう(たぶん)。

しかしあたしらは意味のないことには意外と絶えられないのであって、浅草もあれこれと意味づけする。その意味づけは、深く考える必要はないけれど、なにかそれらしかったりするものであることで、「みんな」には、ほとんど意味のないものでしかないのだけれども、なんとなく関係あるように思えたりする。

そしてその多くは本当の「かなしい」のかけらもない。だからBlaze で泣ける人もいない。ただ「街的」はいつでも「かなしい」に溢れているから、それを覆い隠すように Blaze なのである。……というような意味づけをすると人は安心したりする(たぶん)。

※注記

  1. オプ・アート(op art)とは、錯視の知覚心理学的なメカニズムにもとづいて、特殊な視覚的な効果を与えるよう計算された絵画作品のジャンルのこと。広い意味での「だまし絵」(トロンプ・ルイユ)の一種であるが、オプ・アートは原則として抽象作品である。エッシャーの平面充填や不可能図形のような具象性を残した作品は、通常、オプ・アートとはされない。正確には「オプティカル(光学的な、optical)・アート」と記されるべきものであるが、ポップアート(pop art)と語感がそろうこともあって、「オプ・アート」の方が好まれる。1964年のタイムが「オプ・アート」を活字にした最初とされる。from フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
  2. 詳しくは昨日の日記を参照。