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2019年03月03日|お知らせ


2006年11月23日(木) 

鹿屋のらーめん千葉で午前3時まで黒糖焼酎を飲んでいたこと。

午前8時起床。浅草はくもり。

06112201 (55).JPG鹿屋市での最後の夜(21日)、ひよこでの一献を終え、ちょっとラーメンでも食べてホテルへ帰ろうか、ということになり、ラーメン千葉へ寄った。

それは午後10時を少し過ぎた頃で、このラーメン屋の営業が終わるには、まだ1時間程の余裕があった。(午後11時閉店と入り口には書いてあった)。

ラーメン千葉の店内は、私の既成概念にあるラーメン屋とは全く異なる風景をもち、とても広い。そこには大きなカウンターと座敷があり、オープンになった厨房も広い。(ステンレスはきれいに磨かれていた)

店に入ったわたしたちは、躊躇なくカウンターの真ん中ぐらいに席をとり、鹿児島では珍しい(と思われる)味噌ラーメンとビールを頼んだ。

ここでは麺を各種選択できるのだが、私は、鹿児島ラーメンの、あのちゅるちゅるとしたやや太麺の舌触りが好きなので、太麺でオーダーした。

06112201 (56).JPGそれから普通のラーメン屋には絶対に存在しないだろう、立派な酒の肴があったので、白和えと水菜の(たぶん)漬けたもの、それから煮卵を頼み、ラーメンが出来上がるまでの時間を居酒屋にいるように過ごすことができた。

店主は私より10歳年上とのことで、奥さんと二人で、この店をきりもりされている。関東的な歯切れのよい会話をする方々だなと思ったら、案の定、かつては東京と横浜におられたらしい。わたしたちは気さくなその夫婦と、(酔っ払っているので)右脳だけでパロールするような会話を楽しんでいた。

06112201 (57).JPGそうこうするうちに、ラーメンが出来上がった。鹿児島のラーメンにしてはあっさり目のスープであることは見た目でもわかる。しかし油分で表面は蓋をされているので、湯気はでない。

それは普通の味噌ラーメンの概念からみればあきらかに異形であり、札幌系のそれとはまるで違う。もやしもない。ニンニク臭くもない。一口スープを飲んでみれば、味噌がスープの旨味を消すこともない。

(私的には)来集軒の東京ラーメン(それも醤油)のように感じた。それは(浅草でラーメンを食べる)私には日常的にうまい味覚である。店主はラーメンをやる前は、日本料理をされていたそうで、なるほどと思わせる(つまり技術的な下地を確認できる)。太麺もこのスープによくあっていた。

ただ現代のラーメンは、ある意味(料理の本道からは)異端ものを個性と勘違いすることで成立する――つまり非日常性のでっちあげ――。だとすれば(私はそう考えている)、じつはこのラーメンは日本料理的(日本料理の流儀に忠実)であるが故に、異端の自己主張――つまり非日常性――は控えめになってしまっている。

つまりこれは微妙な立ち居地にあるラーメンである。ハイブリッドではあるが、そのハイブリッドは中庸を絶対としていて、それはとても日本人的日常ではあるけれども、それ故に、ラーメンに非日常を求める方々にはもの足りないのではないだろかと思う。

こうしてラーメンを食べ、ビールを何本か追加オーダーして、ずるずると飲んでいたら、店主は若い頃浅草橋で修行をされていたことがわかり、つまりは、内の隣町におられたわけで、そんなことから、たわいもない会話は延々と続いたのである。

女将さんが飲んでいた黒糖焼酎を分けてもらい、それをロックで何倍飲んだのかも覚えているはずもなく、気が付けば午前3時。この日の私はなぜか眠くならず、まだまだいけそうだったのだが、いくらなんでもである。少しだけ残った理性で宴の終わりを告げた。

ラーメン千葉は非常に居心地のよいラーメン屋、否、居酒屋であろう。カウンターで飲むなら、あの広い空間でも完全にアジール化することができる、つまり子宮的な構造をつくる技術をこの店主夫婦は持ち合わせている。

店主曰く、ラーメンはまだまだ勉強中で試行錯誤しているとのことだが、また鹿屋へ行く機会があれば、是非寄らせていただき、その進化の過程を確認してみたいなと思う。ちなみに店主のお名前は、千葉眞一さんという。サニー・千葉である。(笑)

ラーメン千葉
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投稿者 momo : 2006年11月23日 10:00 : Newer : Older

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