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2019年03月03日|お知らせ



「ばらまき」「利権」「土建屋」この3つのタグ(呪縛)を我々は如何にはずすことが可能なのだろうか。―南九州三県合同研修会より。

午前6時起床。浅草は雨。

コメント

先に書いた[欝の時代に治療薬として公共事業が使えないのはなぜだろうか。―南九州三県合同研修会より。]に対して、北海道のA木さんから、以下のようなコメントをいただいた。

タグを外すためには「ミーム変革作戦」と「制度・法律作戦」の2方向から攻めていくべきだと考えます。

具体的な戦略を思いつくまま列記しました。

  1. 公共事業を「市民事業」と言い換える。法律自体も国発注工事を「公共事業」と規定し、地方自治体発注工事を「市民事業」とする。ただ、この考え方は、あの五十嵐敬喜や天野礼子がすでに使っている…。
  2. 地方自治体発注の公共事業を国土交通省予算から切り離し、厚生労働省予算とする。「公共事業が雇用のために必要ならば、堂々と厚生労働省の予算でやればいい」と言っている馬鹿な識者の鼻を明かす。
  3. 公共事業の一部を「地球温暖化対策」や「環境保全対策」のハード事業として位置付ける。
  4. 公共事業の農業整備予算を「食料安全対策」や「食糧自給率向上」のハード事業として位置付ける。
  5. 公共工事表示法をつくり、工事現場での広報看板の設置を義務付ける。
  6. 建設業に従事する全員が、家族や子供など愛する人に公共事業のことをもっと語る。
  7. 建設業界が一斉に選挙から身を引く。

国民は、一時期の「公共事業バッシング」から冷めています。なぜなら、たたく相手が急速に弱まったからです。いまは「公共事業=悪」ではなく、「従来型の公共事業=悪」に変わっています。

古臭い批判の対象

今、地方の建設業を呪縛しているのは、「ばらまき」「利権」「土建屋」と言う3つのタグだ。

この3つのタグの意味することは「依存」であり「ヘタレ」である。

右傾化した自助努力の時代には、国家に依存することが「利権」を生むとして批判される。

それは「ユダヤ人」的にだし、パトリが消失した故(せい)で生まれる、(たぶんマスコミがつくりだした)短絡的な名指しとしてだ。

そんな古臭い(今や正体不明な)ものに、公共事業は支配されている、というミームに、世間は(いまだに)支配されている。

曰く、「ばらまき」が復活すれば、地方の「土建屋」は「利権」に群がる。

と言うようなステレオタイプの言説は、ネット上に溢れる。

たしかにヘタレ経営者はいる。(それは否定しない)。

新しい経営者像

しかしそんな古典芸能的経営者など、今は見つけるのが難しい希少種であり、既に絶滅危惧種でしかないことを世間は知らない。

今、地場の建設業の経営に携わっている方々はどのような方々なのか、翻って考えてみればよい。

それは一昔前の経営者とは明らかに違うだろう。

むしろインテリジェンスに溢れた方々だ、と言ってもよい。

例えば、IT化に関して言えば、他のどんな業界よりもIT化が進んでいるのが建設業だ。

しかし世間の目は、まったく逆なのである。 

そして、ビジネスとして、最も市場原理に近いところで建設業をやっているのも彼らである。

それも(多くの「勝ち組」が見放した)地方の雇用問題を抱えながらだ。

勝ち組と負け組の違い

今、好調な業界と窮地に追い込まれている地方の中小建設業の違いは、接続している経済圏の違いでしかない。

  • グローバル経済圏への接続―(勝ち組)
  • ドメスティック経済圏での閉塞―(負け組)―建設業・地方

勿論、地方の中小建設業は「ドメスティック経済圏」にしか存在し得ない。

そのことで、地方の経済を担うのは当然のことだ。

だからこそ、「地方の雇用の問題」を切り離す経営などできやしないのである。

それはグローバル経済圏に接続している産業が、時給850円年収200万円の時代をつくりだしたのとは対極にあることで、「地域再生」に密着した存在だ、ということだ。

情報を発信すること

しかしこれらのこと(情報)は、国民には殆ど届いていない。

それは、我々はあいかわらず情報を殆ど発信していない、ということに収斂してしまう。

我々は何よりも、新しい経営者像を情報として発信しなくてはならないはずなのに、その努力を殆どしてこなかったのは否定しようもないだろう。(その意味で私は情報を発信しない経営者をあえて「ヘタレ」と呼ぶ)。

そこでは〈情報/伝達〉の差異の理解、というコミュニケーション定義が機能しようにも機能しない。

私が、IT化を通して、「情報を発信すること」を言うのは、そういう意味でだ。

その具体化がブログ化なのだが、それは(建設業の規模を見れば)今の数じゃ全然足りない。

だからこそ、協会(事業者団体)ベースのIT化は必要となる。

Written by 桃知利男のプロフィール : 2007年10月09日 11:00: Newer : Older

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