ラ・フランス
ラ・フランス(食べる寸前)


午前6時起床。浅草は晴れ。

山形の大山さんと松田さんから、それぞれにラ・フランスをいただいていたのだが、指で押して、柔らかくなったら食べごろ、とのことなので暫くその時を待っていた。

昨晩、少し早いかもしれないけれども、食べてみよう、ということになり、ようやく我が家の食卓に登場となった。

ラ・フランスといえば聞こえはいいですが 別名 みだぐ梨 とも言われております 。(見た目が不恰好なので みっともない・・・みっだぐない(方言ですね)・・・みだぐ梨 と ・・・まあこの名前だったら売れませんね~)

松田さんの解説である。みだぐ梨、言い得て妙だと思う。確かにこの果物、見てくれは悪い、が、ぼろは着てても心の錦(水前寺清子)なのである。微分されつくされたかのような、例のとろけるよな食感と甘さと香りはすばらしい。(昨晩の感じではもう少し置いておいた方がさらによさそうに思う)。

食べながら、このラ・フランスの産地である山形県の上山市や東根市は、先日の大雪で大変だったろうな、と思いを馳せる。思いは簡単に距離を越える。贈り物はモノではない。モノを媒介にして、人と人との間を人格的ななにかが移動しているようである。[贈与の原理]

モノを媒介にして、不確定で決定不能な価値が動いている。そこに交換価値の思考が入り込んでくるのを、デリケートに排除することによって、贈与ははじめて可能になる。

そう、このラ・フランスの持っている(他に有り得ない)芳醇は、自然(純粋贈与)と人間の作り出した、そういうデリケートさの表出なのだろうな、と思う。まさに純生産なのだな、と思う。