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縦に書け!―江弘毅への返信解説。

縦に書け!―横書きが日本人を壊している

石川九楊(著)
2005年6月30日
詳伝社
1000円+税




江弘毅への返信

午前7時起床。浅草は晴れ。江弘毅との往復書簡に返信を投稿した。

ああ、なに食ったらいいのかがわからない―けれどもミシュランはあたしの中にある。

食べるもんぐらい、好きにさしたってくれや」は、まさにその通り。あたしゃ「自分が食べるものぐらい、自分で決めろ!」と言いたい人なのでなおさらです。しかし肝心の〈私〉ときたら、今日、なにを食ったらいいのかがわからない、という時代なのだと思うのですよ、今はですね。

この返信、お題も長ければテクストも長い、いわゆる長文であって、普段の(というか最近のあたしの)エントリーからすれば2エントリー分はある。

左脳的・右脳的

Webでは、よほど読みモノとしての魅力をもった長文でないかぎり、それが読まれることはない。ましてや左から右へ流れるテクストというのは論文の書き方なのであって左脳から機能し始める。

つまり論理的のテクストには向くけれど、右脳が働きにくいので想像力が働きにくい。つまり読者の想像力に訴えるようなテクストにしたいなら、長文の横書きブログは向かないのである。

対策は散文形式にすることと画像の利用だろう。 

テクストだけで、想像力を機能させるには、右脳という想像の機能を司る器官を機能させるために、右から左へテクストを流さなくてはならない。なので小説の類は、縦書き且つ右から左に読み進めていくように書かれている。つまり読み物として書くなら縦に書け!なのである。

左から右に流れるテクストが延々と下に向かって続いているのは、日本語が本来持っている重力が働かないのである。横書きの長文テクストのために、ラウザのキーワード検索はあるのであって。それはWebのテクストというのは最優先でデータベース的であろうとしているからだ。そしてそう利用されるようにウェブはできている。読みモノにはならない。

書簡そして超口語文

しかし今回の書簡は、あえてデータベース的に書いていないのである。それも長文でである。それは、横書きで想像力を働かせようという試みのようなものだけれども、これは絶対にうまくいかない。まー、書簡という形態をとっているので、江弘毅に対して語りかけでテクストを書くことができるのは、その制約を少しは破れるかもしれないけれど。

なぜなら、それを書くときのあたしは、想像力がぐるんぐるんと機能しているからだが、それが読者の皆さんに伝わっているのかといえば、それは無理だろう(たぶん)。けれど今回の江とのコラボレーションを通して、横書きで想像力の働くようなテクストが書けるようになれば嬉しいとは思う。まあ、そういう個人的な楽しみのためだけにブログはあってもいいのかもしれない。

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