桃知商店よりのお知らせ

民謡酒場 浅草追分―民謡はラテンである。(西浅草3丁目)

浅草追分
民謡酒場 浅草追分のライブ
阿部金三郎さん(中央)
このひとはいい。華がある


午前8時10分起床。浅草は晴れ。今日は東京マラソンの日で、浅草もその舞台になっている。雷門のあたりは(たぶん)にぎやかな日曜になっているだろう。

昨晩は、なにをとち狂ったのか、民謡酒場へ出かけた。とあるmixiのコミュニティの企画に便乗させていただいたのだが、そんなことでもしなければ、このうちのすぐそばにある、東京最古の民謡酒場 浅草追分にあたしの足は向かないのである。

そう、あたしは民謡を知らないのだ。

つまりこの店は、あたしにとっては、まだ見ぬ強豪のようなもので、しかしその強豪ときたら、あたしの知らないカテゴリの強豪なのであり、強豪であることは知っているけれど、なにが強豪なのかわからない強豪なのである。

そういうわからないものには一定の距離を保つ、というのが保守的なあたしの生き方なのだが、それにも少々飽いてきて、ときどき(昨晩のように)老人性の気紛れを意識的に発動していたりする。

(もちろんあたしは中年であって老人ではない。ただ中年はどうしても自分の殻に閉じこもりやすいので、あたしは一足先に老人の世界に行ってしまっている)。

浅草追分はライブハウスなので、民謡ショーがある。それは民謡を知らないあたしでも、おもしれぇなぁ、と思えるへんてこりんな強度をもった空間だった。

民謡というと暗いイメージしかなかったあたしには、民謡はラテンだな、と思えた。

民謡酒場 浅草追分
民謡酒場 浅草追分のライブ

ユキキ
ユキキ あたしをこの空間に連れ込んだ張本人も唄う

それはどうやっても陽にしか思えない空間なのだ。しかしそれは陽であることで、その裏に隠れるように存在する暗を示してはいる。

しかし(いまさら)そんな弁証法はどうでもよくて、この空間が暗に流れることなく、あくまでも陽であるのは、しょうがねぇな、明日も生きてやるか、というような、若芽ではない、老木の生命感のようなものじゃないだろうか。

エネルギーはある、けれどそのエネルギーには無理がないのである。

だからこのライブショーは盛り上がりはするけれども爆発もしないのである。

会場はじいさんとばあさんに満ち溢れていて、そのじいさんとばあさんが紡ぎだす、脱力したかのような生命感が凄い。

あたしと背中あわせに座っていた、九十五歳になる爺さんからも、ただ生きていることの陽気があふれ出ていて、あたしはそれを少しだけいただいてきた。

民謡の店 浅草 追分 (割烹・小料理 / 入谷)
★★★★ 4.0
台東区西浅草3-28-11追分ビル
03-3844-6283
定休日:月曜日
民謡酒場 浅草追分
[浅草グルメマップ]

Comments [3]

No.1

おせわさまでした!
写真頂戴致します^^

No.2

へえー。
かの津軽三味線コンクールで優勝した阿部金三郎氏は浅草の人なんや。
わたしは民謡のファンで、NHKの民謡大賞かなんかの番組で(もちろんビデオに収録している)、ゲストに出ているのを見ました。
すごいなと思い、何遍もビデオで見てます。今度ぜひ聞きに行きます。
桃知さん、よろしくどうぞ。

No.3

>yukikiさん

お世話さまでした。
また遊んでやってください。
(美人なお顔にモザイクかけました)。

>江弘毅さま

あははは…
江弘毅が民謡の大ファンだったとは…
最近の大ヒットだ!

絶対一緒に行こう!

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