焼きそら豆
午前7時起床。浅草はくもり。昨晩は向井田さんと一献。通えば通うほど好きになるニュー王将で軽く食べて、あたしのとぐろのまき処である3丁目の児玉へ移動し熱燗を楽しむ。
児玉では、そら豆を焼いてもらう。そら豆は、空豆とも書くし、蚕豆とも書く。浅草では(たぶん)一番フツーにある豆であって、そら豆が出てくると季節は「夏」なのである。しかしいくらなんでも「夏」というにはやすぎる。
浅草生まれで浅草育ちの児玉のママがいうには、「その昔は、そら豆といえば、三社祭の頃だったのよ」なのだから、5月中旬である。あたしは3月中旬頃から存在を確認していたので、今は2ヶ月ほど早いのである。
まぁ、浅草の人間の酒肴といえば、こんなもんで十分なのである。それが早く出てくる。だから「ちっとも儲からないのよ」なのであって、「それじゃ何か食べるか」とたのんだのがきんぴらごぼうなのだから、どうしようもない客なのであるな。
それにしても昨晩の裏浅草の、いつもに増してのひっそり具合で、諸物価高騰のおり、皆さんの財布も紐も硬いようで、「大丈夫かよ」と心配する路地教信者なのである。
児玉 |
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