桃知商店よりのお知らせ

お好み焼き 吉野。なぜに京都でお好み焼きなのか。(京都市東山区)

お好み焼き
ソースを二種類塗ってみた図
左側が甘い、右側が辛い。あたしは甘い方でちょうど。


6月19日の帰り足、京都に寄った。中津から地下鉄で梅田に出て、そこから阪急電車の特急で終点の河原町まで行った。阪急電車は390円である。安い。電車文化はこうでなくてはならない。

それはさておき、なぜ京都へ寄ったのかというと目的は二つ。一つは錦市場にあるバッキー井上さんのお店に行ってどぼ漬けを買うこと。そしてもうひとつはお好み焼きを食べることだ。

なぜ京都でお好み焼きなのか。

何故に京都でお好み焼きなのか。この鍵を握っていたのも江弘毅と大迫くんで、あたしはほんとは十三でねぎやきを食ってから京都へ向かう予定だったのだ。

それを江にはなしたら、この近所にうまいお好み焼きはない、という。行くなら京都だと。そして一押しで勧められたのは《スコセッシやデ・ニーロがいつも描きたがっている下町のお好み焼き屋。「山本マンボ」 from 140B劇場-京都 店特撰 》だった。しかし山本マンボは運悪く定休日(第三木曜日)だったのだ。

それじゃ、ということで、ここもいいぞ!と教えられたのが、《焦げたソースの匂いが誘う、35年前、35年後。「お好み焼き 吉野」 from 140B劇場-京都 店特撰》。「街的」を楽しむコツはただひとつ。先達の言うことを素直に聞くこと、人の話はまずは聞いてみることだ、ところえているあたしは素直にそれに従ったのだ。

あいたかったぞ!お好み焼き 吉野

バッキーさんのお店に寄ってからタクシーで吉野へ向かった。三十三間堂の裏の路地の中とは聞いていたが、〈異邦人〉であるあたしにそんな場所がわかるわけがないのである。

タクシーは女性の運転手さん(個人タクシー)で、吉野っていうお好み焼きの店知ってますか、と聞けば、知らないけれども住所さえわかれば大丈夫と。

そしてその言葉通りに、あたし独力では絶対にたどり着けないだろう場所に、吉野の看板を見つけてくれたのだ。右の写真がその看板で、店は(写真でいえば左奥の)路地の中にある。フツーに行ったら(あたしには)まずは見つけられないわね。

「休みだと困るだろうからここで1分待っててあげる」という優しい運転手さんの言葉に見送られ、ずんずんと路地を進めば、やっていましたお好み焼き 吉野。あいたかったぞ! とまずは1枚。しかしこの店、写真を撮ろうとしても、正面からは無理だ。

吉野の目印 お好み焼き 吉野

店に入るとお母さんから「イノウエくんのところからきたんか」と突然に言われた。え、何故しってんの、とあたしゃ驚いたが、バッキーさんとこの紙袋を持っていたかららしい。バッキー井上さんは街の人気者なのだ。

ということで、カウンターのところにある鉄板の前に座り、まずは駆けつけ一杯の生ビールを飲む。けれど何を注文していいかわからないので、お母さんに、何食ったらいいでしょう、と尋ねれば、ホルモンとソバの入ったのを食べなさいと。またしてもあたしはそれに素直に従うのだ。他力人生ここにあり。

お好み焼き作成中 お好み焼き作成中

ホルモン(ホソ)

手際よくお好み焼きを作り始めたお母さん。その様子をみていて気付いた。ホ、ホルモンが凄い!それだけ焼いて食ったらうまいでしょうね、と言えば、お母さんは、ホルモンと野菜を炒めたものをつくってくれた。

それが上の写真で、見ての通りに絶対的にうまい。ホルモン好きなら顔を鉄板に押しつけてでも食いたいだろう。ホルモンはでかい。中にはちゃんと切れてなくて3つぐらいつながっていたりするのがあるからなおさらでかい。脂もたっぷり残してある。甘辛いタレも抜群で、ビールがすすむぜコノヤローなのである。

ホソ(ホルモン) レバ刺し
ホソ(ホルモン)                 吉野のレバ刺し(生レバー) 

レバ刺し(生レバー)

お好み焼きはじっくりと焼き上げるので時間がかかる。なのでメインができるまでもう一品酒肴をたのんだ。それがレバ刺し(生レバー)。 なんでお好み焼き屋に、ホルモンやレバ刺しがあるのかは、浅草のあたしには理解不可能なのだけれども、ちゃんと品書きにあって、それが馬鹿みたいにうまいのだから、「こんな店のある京都はほんまにシアワセだ。」とバッキーさんは書いたけど、あたしは思い切り京都に嫉妬してしまった。こんな店が近所にあったらあたしは店に埋没するだろう。

お好み焼き

そしてじっくり待って出てきたお好み焼き。正直言えば、この時点で小食なあたしはほぼ満腹だったのだ。けれどもあたしは食った。ホソとソバ入り。ソースは二種類あって、辛いのがダメなあたしは甘い方で食べた。それは浅草のそれとは全く違うのもだけれど、うまいなぁ。新幹線に乗って、ランチに通うかなと本気で思った。

そしてあたしは大満腹。ここ最近(20年ぐらい)では間違いなくいちばん食べた。死ぬほど食った。これだったら二人で食べて呑んでちょうどかもしれなが、いいのである。〈遅れてきた者〉にはこれぐらいの洗礼は必要なのである。

腹ごなしに帰りは京都駅まで歩いた。だから次回は、京都駅からなら迷わずにいける、たぶん。

お好み焼吉野 (よしの)
京都市東山区大和大路通り塩小路下ル上池田町546
075-551-2026
営業時間:11:00-20:30
定休日:月・火休
お好み焼き

お好み焼き吉野

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Comments [5]

No.1

文面を見てそそられ、
写真を見て嫉妬して...
次回は必ず案内してください(笑)

No.2

私も吉野に行ってみたいと
激しく嫉妬しております(笑)。

<ホルモン好きなら顔を鉄板に押しつけてでも食いたいだろう。>
てとこで吹き出してしまいました。
ほんまにそんな気分で、
せめてと写真に顔を押し付けそうです(笑)。

しかし、濃い旅でしたね。
関西人でもそんな濃い生活してませんのに(笑)。

No.3

>ねぇさん

今回は残念でした。
この店はスゲー店でしたよ。
次回は必ず。

>おおやまさん

コメントありがとうございます。
140Bの皆さんに激しく背中を押され行ってきました京都まででありますね。

じつにいい店です。
ここでしっぽりとやれたら、相当の関係ですね。(笑)

No.4

ただ、ビックリしたのは、
あのホテルから地下鉄に乗ってうめだに行き、
そこからまた阪急に乗り換えて京都に行った、ということ。

阪急梅田駅まで歩いた方が速いかと思われ、
やはりワタシがお供すればよかったと
激しく後悔するのでありました(笑)

No.5

うん、いいんだよ。
電車好きだからね。ホントは新大阪まで出てJRの特快で京都まで行こうかと思ったのだけれども、バッキーさんのところに最初にいくことにしたのでそうなったんだわね。200円損したか。(笑)

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