ディエゴ・ベラスケス
2008年6月6日


ラス・メニーナス(女官たち)

バロック」という言葉を多用するあたしにとって、古典的バロックを代表する画家ディエゴ・ベラスケスは特別な存在である。とくに今回Googleがアレンジに使ったラス・メニーナス(女官たち)のもつパースペクティブは魅力に溢れている。

ディエゴ・ベラスケス
ラス・メニーナス(女官たち)
引用:ディエゴ・ベラスケス-ラス・メニーナス(女官たち)-(画像・壁紙)

画中の人物は鑑賞者の方へ視線を向けて、一瞬動作を止めたようなポーズで描かれている(その視線の先に居るのは小さな鏡にぼんやりと映る国王フェリペ4世夫妻の姿だ)のだが、それはまるでグーグルの検索結果のようだ。

表示されるサイトは「女官たち」、それを描き出すGoogleはベラスケス、それを見る「みんな」は国王のようなものか(それは「自分」という小さな国の国王でしかないけれど)。

追記:ロゴの鏡の中に写っているのはGoogleの"o"なのであった。Googleもまた国王であるということか。それも自分をみつめる。つまりは象徴界の不在。

バロック

バロック期(17世紀から18世紀前半)の絵画の特徴は、

  1. 自然主義
  2. 時間、空間における無限定の概念
  3. 力強い運動感やダイナミズム

といわれている。ルネッサンスが都市型の宮廷文化であったのに対して、民族あるいは国家を代表する文化の誕生を意味している。それは多様性のなかの統一、広がりと奥行きのなかの統合の芸術なのだが、たぶんGoogleというかWebが進むひとつの方向性もこれなんだと思う。つまりグローバルなのだけれどもローカルという広がりと統一である。