「にれ」のココア SO905iCS
喫茶店の多い街 岩見沢
岩見沢市は喫茶店の多い街で、そのことだけでもこの街はあたしを安心させる。
それは合理性が最優先となる前の、元気だけれども緩い時代の残骸なのか、客も殆どが商談とか打ち合わせのサラリーマンか自営業者(自由業者)なのであって、その人たちも、元気だけれども緩い時代としての昭和を引きずる人たちである。※1
岩見沢でのあたしの行動範囲には「マニュアル通りのコーヒースタンド」はなく、あるのは昭和の香りの残った喫茶店だけで、それをバルト流にいえば『私の心に(少しも不安をあたえない)「母」をよみがえらせる、故郷のようなもの(heimlich)であろう』※2 というのは大袈裟かもしれないが、そして昭和をひきずってはいても、岩見沢のお客はかなりの年配者ばかりではあるけれども、こういう風景が残っていることに旅人はいつも感謝するのだ。
にれ
岩見沢駅前にある「にれ」は、あたし的には(岩見沢では)一番利用頻度の高い喫茶店で、そのほとんどは列車の時間調整でしかないのだけれども、ここはうちの近所でいえばJoyとかニューフロンテのような雰囲気があって、喫茶店といえばそんな店ばかりで過ごしてきたあたしには『かつてそこにいたことがあり、いつかそこにもどっていくことになる、ということを確信する』※2 場所なのである。
2009年6月17日、スーパーカムイ18号を待つ20分ほどの時間に「にれ」でココアを一杯飲んだ。
にれ [ 喫茶、コーヒーショップ ] - Yahoo!グルメ |
※注記
- 緩いけれど元気な時代の喫茶店―ギャラン。(上野6丁目) 参照
- ロラン・バルト:『明るい部屋―写真についての覚書
』:p53