北海しまえび from 西村さん 2009/07/04
LUMIX DMC-FZ8 +Orton風 by Picnik
51際の誕生日に西村さんから今年も北海シマエビが沢山届いた。北海道はサロマ湖産で、いつものように、河井商店(紋別郡湧別町栄町:01586‐5-2015)さん経由である。西村さんはパトリを護持する方なのだ。
北海しまえび LUMIX DMC-FZ8 +Orton風 by Picnik
茹でてある北海しまえびは枝豆のように皮を剥きながら食べるのがうまい。午前中にもかかわらずビールを飲みながらつまむように食べれば、お供のテレビはレッドソックス vs マリナーズである。
浅草にいてオホーツクの純生産を食べながらMLBの中継を見ているなんてことは絶対に当たり前の事ではないのである。けれど人間というのは当たり前じゃないことが当たり前になると当たり前になる以前のことを忘れてしまう。
あたしはその尋常じゃなさを謙虚に受け止めるぐらいのことができるのは51歳という年齢のできる技なのかもしれず水村美苗さんの『日本語で書くということ』をふとふり返る。※1
経済学者のケインズが言った有名な言葉がある。
「今のことしか知らないのと、過去のことしか知らないのと、ぢちらが人間を保守的にするかわからない。」(『自由放任主義の終焉』 筆者訳)
ここで「わからない」というのが、反語的な使いかたなのはいうまでもない。ケインズは、「今のことしか知らない」、すなわち、過去を知らないのが、人を「保守的」にするというのである。もちろん、「今のことしか知らない」のは、若い人には限らない。いい大人でも本を読まなければ「今のことしか知らない」。だが、若い人は、本を読んできた年月が必然的に少ないがゆえに、「今のことしか知らない」確率が高く、それゆえ必然的に、「保守的」である確率が高い。
どういう風に「保守的」なのか?
過激な言葉で人を驚かすのが「新しい」と思っていること自体が「保守的」なのである。※2
※注記
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水村早苗:『日本語で書くということ』:p25