IT化はなぜ必要なのか
これまでの「IT化=環境×原理」の理解を前提に、まずは個々の企業でのIT化について考えてみましょう。これまでの議論をもってしても「なぜIT化が必要なのか」という疑問はぬぐえてはいないでしょう。私は、この疑問に対する答えを、かつて次のように書いたことがあります。
- IT化とは企業戦略の道具としてある
- IT化は競争勝利の戦略としてある
- つまりIT化とは、技術と経営に優れた建設企業実現のためにある
信頼の構築による淘汰から再生へ
これまでの「IT化=環境×原理」の理解を前提に、まずは個々の企業でのIT化について考えてみましょう。これまでの議論をもってしても「なぜIT化が必要なのか」という疑問はぬぐえてはいないでしょう。私は、この疑問に対する答えを、かつて次のように書いたことがあります。
私たちは、既存の権威がすでに機能しなくなりつつあることを知っています。アカウンタビリティやパブリック・インボルブメント(PI:政策形成の段階で人々の意見を吸い上げようとするために、人々に意思表明の場を提供する試み)が、昨今の公共工事でいわれている背景には、市民社会という公共工事に対する「消費のミーム」の主の台頭と同時に、「既存の権威」の崩壊という問題があります。それは「ヒエラルキー・ソリューション」の崩壊のはじまり、といってもいいでしょう。
結局、公共工事に対する「消費のミーム」とは、「発注者」と市民社会との関係で簡単に変化するような曖昧なものでしかありません。ここではそれを、「プリンシパル・エージェント問題」(省略して「エージェント問題」)として考えてみましょう。
「マーケット・ソリューション」の台頭は、中小建設業に「安心」を提供してきた集団主義的社会の組織原理が、機会費用の増大で高く付き過ぎる、と多くの国民が感じるところから始まっていることは確かです。そうしてこう繰り返しているのです。
「世の中、飼い慣らされた金魚ばかりだから餌がたくさん必要になって国の財布はすっからかん、挙句の果てに借金までしなくちゃならない」。