喜美松のとんさし
昨晩のトンさし(左から、シロ、タン、ガツ、黒ガツ)


浅草は雪が降っている。これで寒いといったら、北国の皆様には叱られそうなのだが、東京(とくに浅草)の家は、鴨長明がいう「家は夏向きにつくれ」を実践しているわけで、部屋のあたたまり具合はよくない上に、暖房器具もプアなので、寒さには弱いのである。

さて、昨晩は喜美松にでかけて(と言っても3階から1階に降りるだけ)の夕餉だった。

黒ガツ

ガツ
黒ガツとガツの刺身

昨晩は、珍しいものとして、黒ガツの刺身を出していただいた。ガツは豚の胃袋で、これを茹でて、冷やし、刺身にして食べる。普段は外側の黒いところ(黒ガツ)は出さないのだけれども、なぜか昨晩は、まぁ、食べてみてくださいな、と親方が出してくれたわけだ。

あたしは、酢味噌というか辛子味噌につけてガツは食べるのだけれども、コリコリとした歯ごたえもいいし、ああ、豚のホルモンだな、という臭みもいい。ホルモン好きは文句なしに好きだろうな、と思う。

たぶん普段は出していないと思うので、食べたいときには、(あんまし混んでいないときに)親方に頼んでみれば、出してくれるかもしれない。(あくまでも、かもしれない、である)。

豚レバーのたたき

豚レバーのたたき
豚レバーのたたき

それで昨晩のお目当ては、レバーのたたきだったわけで、あたしはこれが文句なしに好きだ。

こういうものの好き/嫌いは、性にあうか/あわないか、でしかないわけで、それは身体性と育った環境を持った「」の主観なのだ。その主観の持ち主はほなならぬ「」であって〈他者〉ではない。

だから性に合う人にとっては喜美松は国士無双なのであり、かけがえのない店であることで、ますます好きになるだろうし、性に合わない人は単純にだめだろうな、と思う。

喜美松は、ホルモン系が好き、という「」つまり「われわれ」が集う店であることで鍛えられ、ますます進化し、さらに深化していくだろう。そしてあたしにはそれが楽しいのである。

喜美松 (ホルモン / 浅草)
★★★★★ 5.0
台東区浅草4-38-2
03-3874-5471
定休日:土日祝
営業時間:17:30~23:00
喜美松

喜美松
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