12月21日の昼餉(ランチ)は、5丁目の山口家へ。家人とタンメンと五目焼きそばを頼んでシェアして食べた。
山口家のたんめんはだれがなんと言おうが、世界一うまい、と私は勝手に思っているので、ほんとうはたんめんをふたつ頼めばよかったのだろうけれども、この日の午前中[街的という野蛮人]なんていうひねくれたテクストを書いたせいか、心の中にもなにかひねくれたものが居座っていて、素直に「たんめんふたつね」とはいかなかったのだ。
それでなにを頼んだのかとかいうと、隣の婆さんがいつも食べている焼きそば――この隣の婆さんというのは、山口家でよく鉢合わせする婆さんで、乳母車のようなもに上半身を預け、地球と水平になって山口家に来ては、焼きそばをうまそうに食べている――。それもその最高級品である五目焼きそばである。
とは言え、そこは山口家である。中華料理のそれを思ってもらっては困る。 山口家の五目焼きそばは、まごうことなきソース焼きそばなのであって、なにが五目なのかはさっぱりわからない。キャベツと肉の破片と紅生姜ぐらいは確認できる。あとは隠し味なのかと思うしかない。
しかし、一見するとテキヤのヤキソバのようなこれも、食べてみるとぜんぜん違う。月とすっぽん、お釈迦様とキリスト様、長州力と小力ぐらいに違う。こういう比喩を使うのは、私の中に、その違いを表現する語彙がないからであって、それじゃと言うことで、「食ってみればわかる」というのも乱暴な仕事である。かと言って、甘からず辛からず、マイルドなソースが舌の上で醸し出す豊饒はまったりと……なんて書くのは、いなかものの証でしかない。
ということで、どんなものかはわかっていただけたかと思う――と書くのは思い切り反則だよな。(笑)
山口家本店 |
Comments [2]
No.1しょうぞうさん
山口屋、おいしいですよね。
南千住三丁目18-?に「ますや」というラーメン、定食の店があります。意外と知られてないですが、創業50年くらい、地に根を張ってやってるみたいです。
タンメン、もやしそば(山口屋のものと見た目は酷似)、肉そば、五目かた焼きそば、広東麺、五目そば、塩焼きそば・・・
近所なのでよく行きますが、何を食べてもおいしいですよ。
日替わりでメンチカツ定食がある時はラッキーです。
明治通り一本裏の通りにあります。
No.2momoさん
>しょうぞうさん
南千住の「ますや」ですね。
近くもなければ遠くもない、という場所なので、なかなか足がむかないところなのですが、すごくよさげですね。時間をみつけて行ってきたいと思います。
ありがとうございます。