桃知商店よりのお知らせ

豪雪うどんを食べる。(北海道倶知安町)―たぶん進化的には盛岡冷麺の親戚筋なのだと思う。

豪雪うどん
豪雪うどん(ざる)


午前7時30分起床。浅草はくもり。昨日までの蘭春気味の陽気とはうってかわった空なのだが天気予報は午後から晴れるといっている。ほんとかね。

倶知安町

豪雪うどん昨晩は暮に西村さんからいただいていた倶知安町の豪雪うどんを食べた。この開き直りのようなネーミングはベタだなと思うけれどそれは許すしかないだろう。倶知安町の冬は雪だらけだと聞いている。岩見沢の方々が言うには空知よりもずっと多いとのことだから、それは多いなんてもんじゃないはずだ。私は冬の倶知安町は知らないのでこれ以上言及もできないのだが豪雪なのだろう。ならば「豪雪うどん」でいいのである。

豪雪うどん

これはジャガイモ(男爵)のでんぷんを主体とした〈うどん〉とのこと。茹で時間は10分。このうどん、そのまま釜揚げで食べてはだめらしく、茹で上がったらたっぷりの水でもみ洗いをしなくてはならない。すると恐ろしく腰の強いつるつるの麺に仕上がる。温かいうどんのときには水洗いしたうどんを再び湯せんする。

私はまず冷たいまま「ざるうどん」で食べてみた。それはすさまじきプリプリ感ではじけるような噛みごたえと爽快な喉越しが見事だ。しかしこの麺は私のうどんの範疇にいれるわけにはいかないなと思った。別種であるなと思った。それは第一に小麦粉の香りがしないからだ。うどんは小麦粉の香りが命だ。豪雪うどんはジャガイモのでんぷん主体の麺であり、それは望むべくもなく仕方がないなと思う。しかしこの食感には覚えがあるなと思った。それもかなりうまいものの食感である。

盛楼閣の盛岡冷麺それがなにかと言えば盛岡冷麺の食感なのだ。たとえば盛楼閣の冷麺を10倍ぐらいに太くしたらこうなるのじゃないかなというようなものなのだ。つまり進化的には豪雪うどんは盛岡冷麺と親戚筋じゃないのかと思うのだが真否はわからない。

ただ豪雪うどんは盛岡冷麺のような個性をまだ持っていない。それは〈うどん〉というネーミングが表徴している。つまり〈うどん〉であることで世の中のうどん的調理法にはなんでも対応できるという器用貧乏なのである。

同梱されていたパンフレットをみると、カレーうどん、天ぷらうどん、釜揚げうどん、味噌煮込みうどん、ざるうどんと至れり尽くせりなのである。しかしそれは汁(スープ)を選ばないことで盛岡冷麺のような天下無双のスープ(食べ方)がないということでしかない。つまりは決め手の食べ方がないということでもったいないなと思うのである。これで極め付きのスープ(食べ方)でも持てれば豪雪うどんも天下無双なのだろうねと思うのだが、ここが難しいのよ、名物ってやつはね。

豚汁
豚汁

二杯目は豚汁に入れて少し煮込んでみた。不思議なことに温めると食感がかわる。プリプリ感はずっと弱くなりフニャフニャ感が出てくる。私は全日本ふにゃふにゃ化推進委員なのであるからして、ああこれは好きだなと思う。

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Comments [5]

No.1

うどん、うどんって、
なにか、さかんに名を呼ばれたような気がして......(笑)

私もちょうど、そろそろ食べてみようかなと思っていたところでした。

No.2

はじめまして。
子供の頃倶知安町に住んでいて、懐かしいなと思いコメントさせていただきます。
私が住んでたのは30年くらい前ですが、ホントに物凄い雪の量でした。
冬になると1階の窓が全面雪に埋もれていたのを覚えています。(今思うと玄関側は除雪されていたのでしょうね。出入りできましたから。)
小学4年から中2まで住んでいたんですが・・もう25年も行ってません。

ではでは、又来ます。

No.3

>うどん聖人二合さん

はい、呼んでましたよ。(笑)

No.4

>としさん

はじめまして。コメントありがとうございます。
倶知安町はいつも雪のない時期に通るだけなので、その豪雪のすごさは体感しておりませんでした。毎年、岩見沢の雪の多さに驚かされているぐらいですから倶知安町なら私はどうなるのでしょうか。

このサイトは浅草中心ではありますが、こうして北海道のことも時々書いております。
またおこしくださいませ。

No.5

今日はいきなり、「豪雪カレーうどん」にしました。(笑)

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