千束いせや
午前7時30分起床。浅草はくもり。これから雨になるらしい。これは昨日の昼餉で、金美館通り商店街にある千束いせやへ足を延ばし、海老穴子天丼を食べた。
千束いせやは、いわゆる下町天麩羅三兄弟(土手の伊勢屋、千束いせや、蔵前いせや)の次男さんの店で、まあこのあたりに住んでいれば知らない人はいない、というてんぷらの有名店だ。
ただ敷居は低く吉原大門交差点のところにある土手の伊勢屋(日本堤伊勢屋=長男さん)のような観光客の行列ができるようなこともなく、淡々と天麩羅を揚げているご主人の姿そのままのに、近所の人の普段遣い、とても「街的」な店である。
あたしは、黒々とした、だぶついた衣の、タレの味の濃い天丼はどうも苦手で(それはある超有名な浅草の店が原因なのだが)胃にもたれるというか身体的相性として駄目なのであって、それを食べるとその日一日が終わってしまうのである。
それで3丁目に住んでいる頃は、年に一度(浅草では)比較的油の軽いだろうと思われる葵丸進のかき揚げ丼を食べるか、普段は蕎麦屋の天ぷら(天ちら)を愛用していたりしていたのだ。
しかし4丁目に越してきて、世の中には見た目と実際の印象がまったく違うモノは存在しているのだな、と改めて思わされたのがこの千束いせやの天丼なのであり、つまりはこれはあたしの身体との相性が抜群によいのである。
高温のごま油でからっと揚った衣に一切のべたつきはなく、天ぷらはとても軽やかなのである。そして甘いタレが「天丼のご飯の教科書」とでもいう具合に炊き上がった飯にからまり、小食のあたしでさえ、丼モノの正しい食い方に従い、どんぶりを一度もテーブルにおろさずにフツーに一杯食べてしまえる。
その上、帰りに三島屋へ寄って今川焼きを買い、それを食べながら帰るのであるから、千束いせやの天丼は、まさに性に合うとしかいいようがないのだわね。
ランチ 天丼
天ぷらはイカ、海老(芝海老2本のいかだ)、野菜のしっかりとした江戸前で、お椀がついてこの値段(980円)は文句なしだ。
浅草の天麩羅屋は表側(言問通りのあっち側=浅草寺周辺)の店が有名だけれども、浅草の誇るもうひとつの子宮的構造である吉原周辺の天麩羅の方があたしの性にあうのはなぜでございましょうか。
千束いせや (せんぞくいせや) |
Comments [2]
No.1ryogoさん
いやー!美味しそうです。
北海道には穴子の天ぷらという食文化は
ありませんが、きっと美味しいのでしょうね!?
浅草グルメツアーのお店がまた一軒増えました。
ところで師匠!!
「千束いせや」さん には北海道でも味わえる
『お試しグルメ地方発送便』なんて代物は
ありませんでしょうかね?!
No.2momoさん
>ryogoさん
お疲れ様です。そして、うまいです!
千束いせやは出前もしてくれるので、頼んだら、岩見沢まで届けてくれるかもしれませんが、まあ、浅草においでになったときの楽しみにしておいてください。