らい久本店の味噌ラーメン
らい久本店の野菜みそラーメン 600円


午後6時15分に浅草に戻る。浅草も寒いが、岩見沢にくらべればたいしたことはない。

岩見沢の雪道を、キュッ、キュッと片栗粉を踏むように歩いた凛とした感触が消えないうちに、浅草のどよーんとした空気を吸うと、あたしのこころは一挙にだれる。外からは「バカヤロウ~」という罵声が聞こえる。

上の写真が、あたしのリーバイス505-14を豹柄にした「らい久」のみそラーメンである。

今回のことはあたしの責任なのであって、べつにこのラーメンに恨みがあるわけもない。ただ忘れがたい一杯になったなと思うのだ。

久しぶりのらい久本店は、相変わらずのたたずまいだった。

それはまだ国鉄があったころ、そこで働く人々が、早番で仕事を終えたあとの一杯を、夕方早くからここで楽しんでいた時代の、つまり日本という国が、希望という空気で充満していた頃の、空知が産炭地として栄えていた頃の、熱気の残骸が、まるで無限小のように、そして精霊のように店に棲みついているかのようにだ。[かしわ専門 やきとり三船。(岩見沢市1条西7丁目) (岩見沢グルメ探検隊)]

そして、炭鉱が繁栄していた頃、炭鉱夫の具を多くしてという要望にこたえて、大量のモヤシつかったというラーメンは、あいかわらずの元気さだった、ということだろう。(昔に比べればモヤシの量は少なくなったとは聞くが…)

そういう、まさに地面から生えてきたようなモノが、食となって表出してしまうこと、それがあたしはたまらなく愛おしい。

らい久 本店
岩見沢市5条西2丁目2
0126-22-2864
らい久本店。(岩見沢市)


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