桃知商店よりのお知らせ

大衆酒場亀屋の下町ハイボールはど真ん中のストライクだ。(墨田区東向島5丁目:酎ハイ街道)

亀屋の焼酎ハイボール
亀屋の焼酎ハイボール


大衆酒場亀屋

6月14日の夕方、鉄蔵さんと酎ハイ街道(ロード)散策の二店目は大衆酒場亀屋だった。この店にたどり着く前に二軒ほど立ち寄ったのだがどちらも満席だったのだ。

亀屋そうしてたどり着いた亀屋は、店も古ければ店主も古い、その上客も古いという酒場遺産の名にふさわしい店だった。

ストライクな下町ハイボール

そしてこの店の焼酎ハイボール、つまり下町ハイボールは、ど真ん中のストライクであることであたしは大喜び。これが最もオーソドックスな下町ハイボールだと思ってもらってよろしいのである。

炭酸は浅草でもお馴染みのニホンシトロンドリンクニッポン(たぶん)、それに角の瓶にあらかじめ配合して冷やしてあるエキス+焼酎を注ぎ入れ、レモンのスライスを添えるのである。

完璧である。グッとくるがまろやかである。いくらでも飲めそうなので、あたしは2杯ルールを破った。これにあせた酒肴はニラ玉一品のみなのだが、これであたしは5杯ほど酎ハイを飲んだのだな。

亀屋のニラ玉
亀屋のニラ玉

子宮的構造

亀屋のご主人ニラ玉だけで酒が飲めるといえば、昔の岩手屋で目玉焼きで飲んでいたことを思い出すが、それを可能にしているのは、この店の子宮的構造のせいなのだ。

店の狭さがかえって功を奏すのである。そしてご主人が築き上げてきた店のアウラがモノを云う。

この古い店には新しい店が絶対に取得できない無限小まっくろくろすけ)が宿っている。それが「乳臭い」あたしのような者の無意識層を優しく包む。

しかしその優しさは母性的であるわけもなく、むしろキアスムとして機能するものなのだ。だからあたしはこの店で穢れを落とし、再び生まれ変わって店を出ることができる。

あたしの落とした穢れなど、ご主人と店に宿ったアウラが、無限小へと還元してしまうだろう。それだけの強度をもった次元が亀屋にはある。 

街の学校

ご主人は常連さんからは「カントク」と呼ばれていて、角をロックで飲んでいた。云ってみればこの街の生き字引のような方なのであって、聞けばなんでもおせーてくれる(お客さんと一緒になってね)。それも学校では教えないことをだ。酒場は「街」の学校であることを地でいく店だ。また行こう。

亀屋 
採点:★★★★

Track Back [1]

「都会」に住むのと「街」に住むのとは違う。そこを分からんとなぁ。

都会には無くなったハイボールは「街的」過ぎるわ。 こういう店や... 続きを読む

Comments [2]

No.1

口にしてしまったのが悪いのでしょうか。
「絶滅危惧種」は冗談ではありませんでした。

「が、ご主人から衝撃の発言。
水戸街道から東武伊勢崎線・鐘ヶ淵駅にいたる車道の拡幅工事で、今秋には店が解体されるそうなんです。
店はリニューアルされて美味いハイボールは相変わらず飲めるということですが、半世紀近く経った店の風情が消えてしまうのは、何とも惜しい」という記述をあるブログで見つけてしまいました。
あー。

それにしてもB→I→F とこのあと3軒ですか?
凄いですね。


No.2

>鉄蔵さん

今回はお世話になりました。
この店無くなっちゃうんですか。アウラが消えますね。
地震対策的には新築した方がいいのですが、なんとも残念。まさに酒場遺産になりました。ちょっと通っておきたく思います。

あの後はIが貸し切りだったので、B→Fでした。
アイラで壊れました。

また遊びましょう。

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