桃知&江

午前9時起床。浅草は雨の日曜日で、あたしは外にでることもなく、往復書簡に、《「街的」が見えない人は「かなしい」が足りないのだ。》という返信を書いた。

それにしても、前回の江の手紙は、かなり深い(ちゃんと読んだ?)。特に《街は、すでに「あらかじめ失われてそこにある」》というのは泣けるフレーズだ。(写真提供:ねぇさん


こんな泣けるフレーズをしらっと書けるのは不良なのであって、不良に対抗できるのは不良ではなく、不良の知らない言葉でしかない。しかしこの不良は言葉を知っているべらぼうな不良なので、今回のあたしの返信は、この泣けるフレーズを中心に、泣きのテクストで押し通してやろうと思ったのだ。

それは、なんであたしは「街的」を〈欲望〉するのか、という「かなしい」ストーリーになるはずだったのに、書いているうちに泣けないテクストになってしまったのは、あたしには「かなしい」が足りないのだわ(きっと)。