網玄のホヤ
7月31日の夜は、盛岡市菜園の網玄にお連れいただき、海鮮で飲んだ。浅草はなんでもあるけれど海鮮は弱い。江戸前とは言うが東京湾になんでもいるわけじゃなし、仮に江戸前のホヤがあったとしても、食べる気にはなれないだろう。
ホヤを酒肴にできるなんていうのは、三陸を抱えた盛岡の特権のようなもので、盛岡では、こういうものを食っていればシアワセなんだとよ、といわんばかりの食材を網源は揃えてくる。
それを表現するには言葉は邪魔で(たぶん)、つまりは画像だけを並べておけばよいのだろうが、それじゃテクスト狂のあたしは悔しいのでなにか書こうとする。
しかし、この食材パトリオティズムは、まるで藤川球児なのである。ストレートしか投げてこないのだ。それは浅草の偏屈王であるあたしでさえ呆然として見送るしかないのである……というか、ただ食うのである。
それにしても旨いホヤはたまらなく旨い! 口に広がるほろ苦さのいいこと、海の味ってこれじゃないのか、とさえ思えてくる。軽くワンストライクなのである。そして次の剛速球はさんまの刺身。
サンマの刺身と大間のもずく
サンマを刺身で食べるようになったのは(あたし的には)つい最近のことでしかないけれど、最近はちょくちょくお目にかかってはいた。それはど真ん中のストライクであって、あたしゃ見逃し、ツーストライクなのである。
で、見事にタイミングを外してくれたのが、大間のもずくだ。大間のマグロは有名だけれども、大間のもずくなんて聞いたこともない。
けれども、これが拍子抜けする位にいい。シコシココリコリしているもずくなのである。
大間は青森県だから、パトリオティズムというよりは、食材ナショナリズムなんであって、ホークかと思ったらストレートがきたようなものだ。これであたしは軽く空振り三振なのであった。
酒肴
みずだこ網焼き
イカ焼き だし巻き
香の物(長いもと水茄子) ウニ
網玄 (あみげん) (居酒屋 / 盛岡) |
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