9月12日の夕餉は、お馴染みの市房食堂へ。何時ものようにフルコース状態で食べたのだけれど、ここの豚足は相変わらずの天才ぶりであった。それは味噌で炊いたもの、という表現でいいと思うのだが、まごうことなき"ふにゃふにゃ系"の国士無双なのだ。
そのフニャフニャさはどうしようもないぐらいのフニャフニャなのであって、フニャフニャの過剰なのである。これぐらいフニャフニャだと手で持つこともできず、つまりかぶりつくこともできないのは、三遊亭あし歌改メ三遊亭歌橘泣かせである(たぶん)。
豚足を食べると必ず歌橘さんを思いだすあたしは、いつか彼を人吉巡業にでお連れして、腹一杯この豚足を食わせてやりたいなと思うのだ。
それはさておき、そのぐらいのフニャフニャ具合なら、箸でもいけるだろう、と思われるかもしれない。しかし豚足好きは知っているのですよ、肉を骨から外すのは箸では難しいのが豚足の奥深さであることを。
なのでナイフとホークが必要となってくるわけで(ほんとはナイフとフォークがなくとも食えないことはないのだけれども)、その儀式性こそが、この豚足を天才の領域まで高めているのである。
そしてもうひとつの天才がホルモン(センマイを茹でたもの)。これは市房の代名詞であり、看板であり、つまり市房といえばこれなのである。それは(あたしにとっては)世界で一番うまいホルモンなのだ。
市房食堂
熊本県球磨郡錦町大字一武2111
0966-38-0071