桃知商店よりのお知らせ

かつやのおでんで飲む。(札幌市中央区北4条西4丁目)

かつやのおでん
かつやのおでん 撮影したカメラ SO905iCS


最近の札幌での定宿はホテルグレイスリーで、おでんの「かつや」はそのホテルのあるビル(北海道読売ビル)の地下1階にある。一昨日の遅い夕餉は吉川さんと、あたしの「街的」な直感だけで「かつや」へ向かう。

午後8時過ぎ、店はほぼ満席だったが客あしらいの見事なおかみさんの誘導でカウンターに居場所を得る。

かつやはピラ※1のない店で、おでんと香の物と酒だけの店であるが、その居心地のよさはべらぼうである。一見の、余所者であるあたしが、異邦人であることを全く感じることがないのである。

それは地下1階にぽつんと1軒だけある子宮的構造。大好きな風景、「故郷のようなもの」※2である。

ビジネスホテルと直結してしまった「街的」な店という(かつて一度も使ったことのない)名指しを、あたしはこの店のために使いたいと思うのだ。(編集中)

香の物 燗酒二合
香の物                                                     燗酒二合

かつやのおでん いか
「北海道らしさ」というパトリ性をまとい

かつや
客あしらいの見事さ

かつや
札幌市中央区北4条西4丁目
011-231-1507

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※注記

  1. ピラのサイト内検索
  2. 『ボードレールが「旅への誘い」と「前の世」(ふたつとも『悪の華』の詩篇)でうたっているのは、この二重の運動である。そうした大好きな風景を前にすると、いわば私は、かつてそこにいたことがあり、いつかそこにもどっていくことになる、ということを確信する。ところでフロイトは、母胎について、《かつてそこにいたことがあると、これほどの確信をもって言える場所はほかにない》(論文「不気味なもの」)と言っている。してみると、(欲望によって選ばれた)風景の本質もまた、このようなものであるだろう。私の心に(少しも不安をあたえない)「母」をよみがえらせる、故郷のようなもの(heimlich)であろう。 (ロラン・バルト:『明るい部屋―写真についての覚書』:p53)

Comments [2]

No.1

「かつや」は空知、砂川出身の方です。
やっぱり師匠は「空知」に縁があるのかも知れませんね!
ちょっとこじつけでしたが、ここの「おでん」と女将の客あしらいは最高です。

No.2

>しげるさん

コメントありがとうございます。
当然にご存じの店でしたね。しげるさんなら知っておられると思って飲んでました。

看板まで粘って飲んでいたもので、おかあさんからは砂川の店であったことを聞かされました。先代の写っている古い写真をみせていただきました。

あたしは一見であると告げると、いや以前来たでしょう、といわれましたが、リップサービスとしても、嬉しいものです。

おそろしくいい店です。

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