キアスム交叉図式。(法大EC’06第2回講座)

法政大学クステンション・カレッジ第2回講座で使用した資料を公開したので、ご自由にお使いください。  

今回はPPTの72枚目までの内容で、バイロジックの個人的実装、組織的実装の部分には触れることができなかった。

考える技術」をわれわれの日常に落とし込めば 、次のように、キャッチコピー風にまとめることができるだろう。

観察すること
言語化すること
バルネラブルに表現すること
そして、つながること

実際には、先の三つ、観察すること言語化することバルネラブルに表現することが実践であって、つながることは、その結果としてキアスム的に場がひねられ、自己が開放されたことを意味する。

今回は二クラス・ルーマンの社会システム理論のひとつの核である「ゼマンティク Semanteik」を、かなり拡大解釈――つまり勝手に解釈して使ってみた。

ゼマンティクとは「意味論」というようなものだが、今回は、時代背景によってある語彙の持つ意味も変わる、というような意味で使ってみた。

そして、その考察を信頼の概念の変化に対しておこなっている。

その時代背景――の変化が10年というキーワードである。

それは私も含めた多くの方々が普通にインターネットを使うようになって10年程経ったという程度の意味合いでしかない――例えばYahoo!Japan ありがとう10年

しかしこの10年の間に、リアルな世界とバーチャルな世界(ウェブ)は、お互いに似たようなものとなりつつある。

それを今回はキアスム交叉図式でとらえてみた。

キアスム交差図式

キアスム交叉図式は、今回のように時間軸で推移していくものを考察する際に、特に威力を発揮する。  

これは、考えるツールとして、是非フツーに使っていただきたいのだ。

ただ使用上の注意点はあって、それはひねりの位置にくるモノの見極めである。

今回は(当然のように)こにインターネットを置いてみた。

もし(意図的に)政治経済学若しくは社会学的な面を強調したいのであれば、インターネットの代わりに、アメリカリズムや、リバタリアニズムを置いてもかまわないだろう――つまりたいして意味は違わない。

インターネットはある意味、ユートピア論のようなものからはじまっているのだが、それはリバタリアニズムとたいして変わらない。

イインターネットの精神文化である

自発性(ボランティア)
草の根(グラスルーツ)
開放系(オープン)

をそこにみておけば、今回の考察では十分だろう。

そして、このキアスム交叉図式から、「ウェブ化する現実」と「現実化するウェブ」の接点に生まれてきているもの――つまり環境として、オライリーのWeb2.0 memeを引用し、それぞれの要素につていの考察をおこなった。

ところで今回のPPTの82枚目からの部分は、4月27日に空知建協 IT講習会 「Powerpoint実践コース」で使ったPPTものだが、今回はこの部分には触れられなかった。

それはキアスム的に考えるということが、

観察すること
言語化すること
バルネラブルに表現すること
そして、つながること

の実践に他ならないことの事例として準備したものだ――この解説は、次回に、今回復習の意味を含めておこないたい。

解説:2006年04月28日店主戯言 【場の空気を変える】
 → http://www.momoti.com/myself/self060403.htm#060428