これは村上さんからのお土産。村上さんは千厩の人なので、千厩の特産品をお土産にするのはパトリ的に正しい行為である。
東磐というのは、岩手県一関市周辺の地域のことだろうが、村上さん曰く、(東磐は)岩手県内でも屈指の葉たばこの産地(だった?)らしく、葉たばこは、地域の経済を支えてきた代表的な作物らしい。
葉たばこパイも、その名のとおり「葉たばこの葉」のカタチをしたパトリ的なお菓子なわけで、サクサクした葉触りが嬉しい、楽しいお菓子である……ただひとつの大欠点を除いては、であるけれど。
その欠点とは、食べていると、ボロボロとパイの皮がこぼれ落ちることなのだ。それは生半可ではなく、夥しくこぼれるのであって、最初からそのつもりで準備してかからないと、ズボンや床がパイのカスだらけになる。
まあ、それも含めて、非常に面白いお菓子であり、こういうものは末永く存在していた方がいいに決まっている。しかしこれが存在するためには、地元の人はお土産はこれと決めてしまわなければならないのである。
それは大袈裟でもなんでもなく(商品に溢れたこの時代の)闘いなのである。今やパトリを護持するのは、どんな些細なことでも闘いなのだ。そして闘いとは覚悟なのである。その覚悟はいただく方にも要求されるのはいうまでもない。葉たばこパイを食べるには覚悟が必要なのである。