ごぼう天そばごぼう天そば


三軒茶屋のかしわや

午前3時20分起床。浅草は晴れ。やっと寄らせてもらったのだ。三軒茶屋のかしわやにである。いつも前を通るだけだったのだが、この日はひとりで、だれもあたしの行く道を邪魔する者などいなかった。

あたしは世田谷線を降りると一目散に「かしわや」を目指した。まるで思い続けている女性とようやくはなしができるようにである。

入ってびっくりした。思ったよりもずっと広い。それに若いおねーさんが蕎麦をつくってくれている。おーこれはいいぞ、と独りごちる(なにが良いのかはわからないままなのだが)。

早速「ごぼう天そば」のチケットを買っておねーさんに渡す、と同時ぐらいに(というのは嘘になるな)ごぼう天そばが出てくる。

そーだよ、このスピードだよ、とあたしはそのスピードを誰かに云いたかったが、知っている人など誰もいない。あたしは入り口の側の2人がけの席に座った。

そして食う。うん、これはやっぱり想像通りの味なのだ。

うまいとかまずいとかを越えていて、頭の中に描いたごぼうと衣と油とわかめと蕎麦と汁が、もうごちゃ混ぜになって出てきたのだが、あっと云う間に完食してしまう。もう少し居てもよかったのに、と思いながらである。

かしわや
東京都世田谷区太子堂4丁目1-1 キャロットビル101