ピカンティのスープカレーでランチ
北海道の最終日、ランチはスープカレーの有名店ピカンティ
スープは開闢、ダブルチキンレッグの辛さ2番
スープカレーは、最近は東京でも食べることができる。しかしこれはやはり、北の大地で食べるに限る。たべものは、それが息づく土地の気候風土を含めての風味なのであり、つまりそれをパトリという。
スープカレーの縄文性
私は既にピカンティのスープカレーは体験済みだが、何度食べても実に不思議なたべものであるなと思う。これは、札幌以外では生まれ得なかったであろうし、また根付かなかっただろうとも思う。
佇まいは南亜細亜系(例えばタイカレー)である――北海道産米は、どこかタイ米的であり、スープカレーを、例えばミルキークイーンのような粘り気のある米と合わせるとおいしくない。しかし北海道産の米との相性がよいことは実験済みである。
そしてスープカレーのベースは、ラーメンスープだろうと(私は)思うのだ。
ご存知のように、札幌のラーメンの歴史は長い。名店も多い。味噌ラーメンは札幌発で全国を制したハイブリッド(雑種)である。
(私は)スープカレーと味噌ラーメンは、ミーム meme 進化的には同根だと考えている(どちらも雑種―ハイブリッドではある)。スープカレーは、縄文的な要素が強く、野性味が溢れている。
この北の大地で、このような縄文的なたべものが生まれ得たのは、ここが縄文の地層が表出したところだから、とは以前からの私の仮説である。これは決して弥生文化の産物ではない。
たべものは文化であり、いってみれば、その土地で生まれるべくして生まれてくる。輸入されたものであっても、それが基のママであることはまずない。
必ずデコードされ、その土地が持つ要素・素材(データ)とハイブリッドされ、エンコードされる――つまりそれは、外来を否定的にでも受容することの結果であり、創造性であり、キアスムである。
スープカレーには、そのようなミーム進化の軌跡が露出しているように思う。
露出とはつまり、進化のスピードが早いということだ。
それは強烈な適応可能性を秘めていることと同義であり、その進化(変化)のスピードこそが、スープカレーをして、われわれを惹きつけて止まない大きな要因なのだろうと思う。
ピカンティ
札幌市北区北13条西3丁目 アクロビュー北大前1F
011-737-1600