プデチゲ(部隊鍋)
午前8時30分起床。浅草は晴れ。11月17日の夕餉はムグンファへ。 少々寒かったのでチゲにする。この日は、オモニ一押しのプデチゲ(部隊鍋)とした。
朝鮮戦争後の物資不足の時代に米軍から流出したソーセージやハムで鍋を作ったことから始まった鍋料理。プデ、とは韓国語で部隊の意味。キムチ、インスタントラーメン、トッ(韓国の餅)、豆腐、野菜などいろんなものを入れて煮て食べる。濃いめの味で、値段の割にお腹がいっぱいになるコストパフォーマンスの高い鍋料理。学生に人気がある。米軍基地が近いソウル郊外の議政府(ウィジョンブ)がその発祥地とされ、有名店も多い。[ソウルナビ]
ウインナーソーセージ、魚肉ソーセージ、ハム(スパム)と昭和30年代生まれにはたまらないもののオンパレードである。まともな肉は一切入っていない。
しかしこれがうまいのは承知である。スンドゥブチゲ(豆腐のチゲ)に勝るとも劣らない。インスタントラーメンや魚肉ソーセージが入った鍋なんぞ、日本では闇鍋以外にはありえないのだろうが、けれども韓国家庭料理の店では、それが商品となってしまう。
それはどんな純生産のトポロジックなジャンプなのだろう、とか、その純生産を生み出した贈与と純粋贈与とはなんだろう、等と考えていたりする。
そこには、米国と韓国、北と南、平和と冷戦というようなバイナリーを感じる。しかしそれだけであたしとムグンファはつながらない(むしろそれは壁となるだろう)。
あたしが韓国家庭料理をうまいと思うのは、そして足繁くムグンファに通うのは、そんなバイナリーを超えて働いている民族性を孕む非日常的な基体がどこかで機能しているからだと思う。
その[基体]を一言で表現する術をあたしは持たないけれど、つまりはそれはバロックの館の1階部分であるにちがいなく、その存在こそが、非日常への容易な接触を可能にしてくれているのだろうな、などと勝手に考えてながら、勿論、〆は残り物をご飯にかけて食べたよ。これは下品かもしれないが、下品はうまいのである。
黒豆マッコリと酒肴
この日の酒は、黒豆マッコリ 。黒豆の香ばしさ(きな粉の香り)があって、ほんのりと甘い。辛い料理との相性は抜群であって、いくらでも飲める。しかし飲みすぎれば酔っ払うのは当然のことである。
黒豆マッコリ 前菜(ナムル・キムチ) 海鮮チヂミ
ユッケ イカ炒め 豚足
2008年12月27日の夕餉。プデチゲとトッポギ中心。
韓国家庭厨房 ムグンファ (カンコクカテイシュウボウ・ムグンファ) |
2009年2月1日に西浅草へ移転しました。 |
Comments [3]
No.1うどん星人二合さん
黒豆マッコルリは豆の香りが香ばしくて美味しいですね。
20馬力の チャムスルと違って、たった7~9馬力くらいかと思いますので、日本酒の倍くらいの目安でのんでも大丈夫ではないでしょうか?(笑)
No.2momoさん
>うどん星人二号さん
黒豆マッコリはいくらでもいけます。
私は写真の量を一人で飲みました。
ただそれなりにしっぺ返しはありましたよ。(笑)
No.3うどん星人二合さん
マッコリはボトルから注ぐより、あの容器にいれて、(ちょっと欠けた(笑))木製おたまのようなもので注ぐと味わいありますね。
あれはちょうど750ml1本分かもしれません。
しっぺ返し....反省と対になるものですね。(^。=)