ヨシズミTV
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公共事業という産業の特徴を一言で言えば、それは、マーケティングの範疇にない、ということだろう。

企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。

P・F・ドラッカーはこう言ったのだのが(それは企業が行う開発主義=収穫逓増に他ならない)、これが当てはまらないところに、公共事業という産業の苦悩は収斂されている。

3・リフォーム

なにげに見ていたヨシズミTV、これはNTTBJによるタウンページの広告サイト(つまり広告のための広告)だが、そのYOSHIZUMI TOWNにある動画を確認すれば、全部で35ある広告勧誘動画のうち、建設業関係は5つであった。

その内訳は、リフォーム、不動産、畳、シャッター 販売、ガラス店。そう、これらは建築の範疇にあることで、建築は、マーケティングの範疇にあるのだ。

自らの商売が、マーケティングの範疇にあれば、大なり小なりの情報発信が必要なことは、本能的にわかっていることだ。あたしの関与先さんでも、建築やエクステリアを扱う方々は、比較的、情報発信に積極的なのである―ことで「なんだかわからないもの」ではなくなるのである。

しかし、YOSHIZUMI TOWNの動画では、TOWN(街)に、土木は見えない(基本インフラは土木工事なのにね)―ことで、公共事業という産業が、「みんな」にとって「なんだかわからないもの」になってしまっている。

しかし、公共事業も売るモンなのである、とあたしは思うのだ。それは「みんな」に買ってもらうものなのだ。公共事業という産業が、タウンページに広告を出すぐらいに、情報発信について考えなければ、「みんな」にとって「なんだかわからないもの」になってしまっている環境はかわならい―ことで、私(公共事業という産業)は私(公共事業という産業)を救えないままだろう。