www明日は、機会があってCMS(コンテンツマネジメントシステム)を説明する時間と場をいただいていたので、そのためのPPTをつくる(というかこれから作成するのだが)。

それは普段のあたしのプレゼンテーションとは違って、非常にビジネスライクなものになる予定だ。つまりCMSの利点とはなんなのか、に収斂していく。このテクストは、そのPPTをまとめるための「まとめ」として書くものである。


CMS

そもそもCMSとはなにか、といえば、《コンテンツマネージメントシステム(CMS:Content Management System)は、テキストや画像などのデジタルコンテンツを統合的に管理し、配信など必要な処理を行うシステムの総称。コンテンツ管理システムとも呼ばれる。》(from Wikipedia)で事足りてしまうだろう。

あたしは、CMSを「ブログ型ホームページ」と説明している。つまりブログのシステムをつかって、(企業や団体の)ホームページをつくる、ということだ。

CMSとブログの違い

では、ブログとCMSの違いは何か、といえば、あたしが好き好んで使っているMT(Movable Type)でいえば、MT3はブログのシステムと理解されていたが、MT4はCMSと呼ばれることが多い。

しかしその違いは何か、といえば、たいして違いがあるわけでもない。例えば、140B岩見沢建設協会芦別建設業協会等は、MT3をCMSとして使っている(あたしのサイトもまだMT3のままだ)。

つまりMT3もMT4も、ブログ型のホームぺージを作ることが可能なのである。ただブログとCMSの違いをあえて強調するなら、ブログが個人的、日記的なものに留まるのに対して、CMSはブログ型のホームページ(つまり企業や協会や自治体での利用)を志向している、ということだろう。勿論、MT4は(設計思想的に)その傾向がより強い。

もちろん、あたしが事業者団体ベースでの情報発信で推奨している《自分のためにしたことが「われわれ」のために成りえるシステム》というのは、CMSを前提としている(というかCMSでないとできない)。

CMSの利点

では従来のホームページと比べ、CMS利点はなにか、といえば、それは以下のようなものだろうか。

  • 更新が簡単
  • 小さく初めて大きく育つ
  • 訪問者が増える(検索エンジン最適化:SEO)
  • 制作費用の削減
  • 管理の効率化

更新が簡単

CMSをあたしは「ブログ型ホームページ」(それを導入することを「ブログ化」)と呼んでいるけれど、その一番の利点は、更新(情報発信)が専門の知識無しに簡単に行える(ことで、更新されない、作りっぱなしのホームページではなくなる)ことだ。

更新には、専門の担当者も必要ないし、ホームページを作成するための専門知識も必要ない。誰でもがメールを書くように記事を書くことができる(情報を発信することができる)。

もちろん、テクストを書く、画像を上手に使う、というような「センス」は必要だが、サイトを更新する、という技術的な敷居は、今の一般常識的ITリテラシイの中では、最も敷居の低いものに入るだろう。

これは《自分のためにしたことが「われわれ」のために成りえるシステム》にとっては、もっとも重要なことだ。つまり個々が情報を発信することに対して、技術的な壁があってはならないのである。

小さく初めて大きく育つ

そしてその始まりはいつでも小さい。コンテンツはユーザーが増やしていくことで、徐々にサイトは大きく育つ。つまり小さく始めることで初期費用も小さいのである。ただ大きく育つためには、どうしても多くの投稿者は必要なのであって、 Participation (参加すること)が組織内的には必要となる。つまり、大きく育てるために、多くのユーザを巻き込む組織的な運動は必要となる(ことで共同体性を担保している)。

訪問者が増える(検索エンジン最適化:SEO)

例えば、「訪問者はいらない」と断言して情報を発信する組織はないだろう。ここは初心に帰って考えるべき問題で、この命題があらわにするのは、「何故に私は情報を発信しているのか」だ。発信した情報は、できるだけ多くの方々に届いて欲しいと願うなら、ブログ型のホームページは(今のところ)ベストの選択となるだろう。

これはブログの特徴をそのまま継承していることで可能なのだが、つまりは、RSSやATOMのようなフィードや、ping のように、更新状況を積極的に外部に発信するシステムを実装している、ということで可能となっている。

Webは今やブログを中心として動いていることを考えれば、技術的に偶有性を高める意味でも、SEOの優位性でも、ブログ型のホームページの優位は、暫くは揺るぎないと(あたしは)思う。

制作費用の削減

これは「小さく初めて大きく育つ」にもかかわることで、Web2.0の特徴である「必要なものが、Webにある、それも無償で」がここでも機能している。MTは有償のシステムだが、無償のCMSの選択も可能だ、デザインは(あたしの場合)あんまり凝らない(その必要を感じない)ので、Webにある無償のテンプレートを活用している。

CMSはデータベースを使うので、インストールにはそれなりの知識が必要だが、運用にはその知識は必要はない。つまりそこは専門家にアウトソーシングしてしまえばよいのである。(勿論自力でできるなら自力でやればよい)。

ホームページ作成でお金のかかるのは、コンテンツの作成とデザインなのだが、CMSでは基本的にコンテンツはユーザが自ら作成するのだし、テンプレートは無償のものでも非常に出来がよい。

管理の効率化

ある協会で、MT3からMT4へ変える理由を尋ねられたが、それは「管理者の負担の軽減が一番の理由だ」と答えた。MTに限らず、最近のCMSは、サイト全体の管理がより効率的に設計されている。それは、テキストや画像などのデジタルコンテンツがデータベス化されているから可能なことで、管理の効率化は今後益々進化していくだろう。

最終的には、投稿者の情報発信リテラシイの上昇に伴う管理の個人移譲を期待することで、管理は専門家を必要としないようになるだろう。このレベルで技術的な保守をアウトソーシングしてもその費用は非常に小さいのである(あたしの場合だが)。

参考