ビビン麺
ムグンファのビビン麺
SO905iCS (2009/7/9)(以下すべて同じ)
午前5時起床。浅草はくもり。湿気が強くそして風も強い朝だ。昨晩はお客様がこられムグンファでの晩餐。あたしにとってムグンファのオモニ金明執さんは想像界(I)と現実界(R)の人であり、つまり彼女のつくる料理は此の世のものとは思えない。
しかしあたしの性に合うとしかいいようがないのである。例えば昨晩出されたビビン麺はオモニからの贈与なのだけれども――辛いモノのが苦手なあたしが檄辛麺をオーダーするはずもなく――じつはこれが辛くないのである。
いや、その云い方はたぶん間違っていて、辛くなくはない。ただ辛さが表面に出てこないのだ。その製法をあたしが知る由もないのだが、この麺にからまるあらゆる微分されたモノの滋味が辛さをパッケージングしてしまっているのである。
だから物凄く複雑にうまい。まさに(I)と(R)なのである。
ソウル出身のオモニ(彼女は都会っ子なのである)曰く、「ほんとうはあたしが食べても辛いと思うぐらいに辛くして食べるのよ。」なのであって、つまりこれがビビン麺のベース(基本)なんだってことだ。この基本形があれば、あとは辛みの素となるものを増やしていけばいくらでも辛くできる。
基本なのである。基本がちゃんとできていない檄辛なんて誤魔化しなのよとオモニは云いたかったに違いないとキュウリチャミスルにやられたあたしは思ったのである。
韓国家庭厨房 ムグンファ (カンコクカテイシュウボウ・ムグンファ) |