午前6時35分起床、浅草はくもりのち雨。2009年8月の写真を見ていた。脳挫傷で入院したての、どこか頼りなさげな表情が印象的である。
あたしはこの後、9月から翌年(今年)の2月まで、東京都リハビリテーション病院でリハビリを受けた。その成果を知らないで(いや、そんなことなど思いもよらず)、力なく何かを見つめるあたしはどこか哀しい。
写真のノエマ、《それは=かつて=あった》、あるいは「手に負えないもの」※1である。写真の場合は、あたしがそこにいたことを、事実がかつてそこにあったとうことを、決して否定できない。
あたしはその現実を前にして生きていこうと思うのだ。
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それゆえ、「写真」のノエマの名は、つぎのようなものとなろう。すなわち、《それは=かつて=あった》、あるいは「手に負えないもの」である。 (ロラン・バルト:『明るい部屋―写真についての覚書』:p94)