七草粥の朝
午前6時30分起床。浅草はくもり。昨日の朝餉は「七草粥」にしたのだが、「春の七草」とは下に示した7種類の植物だ(from ウィキペディア 註1)。この7種の野菜を刻んで入れた粥を「七草粥」というが、あたしはこの歳になって、始めてちゃんと七草の入った粥を自宅で作ってもらった。あたしの記憶がただしければ、その昔は七草など手に入らなかったのである。
早速一口食べると、口にしたことのない野生の味がした。しかし、これらの七草は野生のはずもなく、栽培されたものである。栽培されたものとは、人手を掛けて作られたもの、つまり、農業の三位一体モデルでは「純生産」なのだが、この場合、「純正産」が「商品」に変われる期間は非常に短い。
1月7日が期限だろう(たぶん)と思う。と云うことは、年末年始、正月の3ヶ日を含め、七草の生産農家は(たぶん)働いていたのだ。これは大変ご苦労なことだ。世の中、まだ正月休みだという人達がいる中で、その休みの人達に食べてもらう為に働いている人達がいる。おかげであたしが七草粥を食べられるという事実。
世の中には昼と夜の様に必ず表と裏がある、と教えてくれたのは祖母だったが、この「春の七草」には素直に頭を垂れる。そして、また粥をすするのだ。確かに正月料理で疲れた胃を休める効果はあるなと思う。そして、邪気を払い万病を除く呪術としても利いてくるかな、と「七草粥」の効能を曰いながら、呑気に「七草粥」をすするあたしなのだ。
註1 春の七草
画像 | よみ 名称 | 現在の名称 | 英名 | 科名 |
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せり 芹 | セリ | Water dropwort | セリ科 | |
なずな 薺 | ナズナ(ぺんぺん草) | Shepherd's Purse | アブラナ科 | |
ごぎょう 御形 | ハハコグサ(母子草) | Cudweed | キク科 | |
はこべら 繁縷 | コハコベ(小蘩蔞) | chickweed | ナデシコ科 | |
ほとけのざ 仏の座 | コオニタビラコ(小鬼田平子) | Nipplewort | キク科 | |
すずな 菘 | カブ(蕪) | Turnip | アブラナ科 | |
すずしろ 蘿蔔 | ダイコン(大根) | Radish | アブラナ科 |