かぶら寿しかぶら寿し


かぶら寿しと大根寿し

午前6時30分起床。浅草は晴れ。昨年の12月29日、大阪のねぇさんが(いつもの様に)「大根寿し」と「かぶら寿し」を送ってくれた。あたしは昨年が最後のものだと思い、全く無防備でいたところに不意にやってきた。正味期限は平成30年1月6日だ。よし、浅草に戻ってから楽しもう、と冷蔵庫に入れた。その冷蔵庫から取り出した「大根寿し」と「かぶら寿し」は、熟れに熟れた「熟れ寿司」本来のこの国が生んだ絶対の味だ。

「熟れ寿司」自体がまさに「ハイブリッド」であるように、その出来上がりがまず凄い。構造がしっかりとしている。本当に麹のもつ力は凄まじいなと思う。1年ぶりになる「大根寿し」と「かぶら寿し」は、大根とにしん、かぶらとぶりの味覚が溶け出したように味の輪郭が無くなっている。いつもと同じ味のようだが、今日のは期限ギリギリ、何処かで違うのである。その同じ様で違う味を「かぶら寿し」と「大根寿し」の両方で楽しむ。なんていう幸せなのかと思う。

しかし、休肝日と決めた日故にビールは一切呑まない。「大根寿し」と「かぶら寿し」は文句無しにうまいが、なにか足りないな、と思えば酒なのである。正月は散々呑んであたしの容量はとっくにオーバーしている。あー酒があればな、と思うが、(あたしは)普通の身体ではない。酒のない日の「かぶら寿し」と「大根寿し」も又良し、と箸を進めたのである。

かぶら寿し

四十萬谷本舗
石川県金沢市弥生1丁目17-28