午前7時起床。岩見沢は晴れなのだけれども、今朝は二日酔いだし9時には仕事先に行かなくてはならないので、とりあえず北海道IT経営応援隊「IT経営セミナー in 岩見沢」で使用したPPTをアップし、その講演で使った「贈与自動販売機」という概念については後程書きたく思う。

追記:午後7時30分浅草に戻った。それから児玉で夕餉とした。浅草がいくら寒いとは言え北海道の比ではないなと思う。 

贈与的自販機

例えば自販機というのは「交換の原理」で出来ていて、一本120円の缶コーヒーを買おうと思ったら、ちゃんと120円入れないと缶コーヒーは出てこない。その交換は瞬時であって、120円入れてボタンを押せば(品切れでもない限り)缶コーヒーは瞬時に出ている。

しかし「贈与」というのは「交換=経済的交換」の即時性を否定する。もし贈与的自販機というのがあれば、120円入れても瞬時に缶コーヒーは出てこないだろう。

贈与的自販機は買う人との関係を考えてしまうのである。いつもお世話になっているのに、一本だけじゃまずいだろうなとか、120円も入れてもらって申し訳ないなとか、2時間ぐらい考え込んでつい2本だしてしまう。その上おつりに20円返してよこしたりするわけだ。

IT化というのは交換の原理式自販機のようなもの=即効性のあるものだと思われている方が多いかもしれないが、むしろ贈与式自販機のようなものだろう。つまりIT化は人間(社員)の変化なのであり、それには時間がかかるということを忘れてはならないのだ。

ビジネスにおけるブログの効用に即効性がないのは、それは社員が変化するには時間がかかるということのなにものでもないのだが、そういう最も基本的なことを忘れたIT化が喧伝されて、それを真に受ける経営者が多いのは、正解の思い込み以外のなにものでもないだろう。

ITという情報の技術は絶えず革新されて変化していく(陳腐化していく)。そんな技術を道具として使う私たちに必要なものは創造力の源としての己の頭脳でしかないわけだ。それを(ITを使って)鍛えていくことをIT化と云うわけで、これがなければ私たちはただ道具に振舞わされてしまう(使われてしまう)悲しい存在でしかなくなってしまうだろう。