冷や汁
冷や汁


みやざき冷や汁延岡の伊藤さんから冷や汁をいただいた。冷や汁は言わずと知れた宮崎県の郷土料理(パトリの食べ物=純生産)であり、それがトポロジックにジャンプして商品に転じている。

この製品のパッケージにも、しっかりと東国原知事のキャラクターが描かれていて、それは今更たいした意味もないことは承知なのだが、あたしは、こと冷や汁に関しては、人一倍思いが強いのであって、これは大喜びの贈与なのである。

それは冷や汁を初めて食べたときのことだ。その日はあたしは酷い二日酔いであって、もう絶対になんにも入らないぞ、という昼餉に冷や汁だったのだ。

けれどもそれは、不思議に食えたというか、もっと食いたい、と思った程うまかったのであって、それ以来、冷や汁はあたしの好物のひとつなのだった。

ちりめんだしの利いた冷や汁に、きゅうり、大葉、ねぎ、豆腐を加え、麦飯を炊いて、それに遠慮無く冷や汁をぶっかけて、わっしわっしと豪快に食べるのである。

なんとも悪党的な食べ物ではないか。なんの遠慮も衒いもない。腹を割って話す、ならぬ、腹を割って食べるのである。噛むという行為は殆ど無く、ズスーッと飲み込むように食べるのである。ご飯茶碗に二杯、精々として、今日のような蒸し暑い日には、ちょうどの夕餉だ。