ソフトクリームを撮るあたし(村上氏撮影)ソフトクリームを撮るあたし(村上氏撮影)


ソフトクリームを撮るあたし、でも食べなかったけれど。

午前5時起床。淺草は晴れ。今年は、村上さんの車にのって花巻市のマルカンデパートを訪れることができた。年に一度、マルカンデパートの大食堂を訪れると、なぜか落ち着くのだ。

あたしは毎日郊外化の現場を見せつけられてはいるが、しかしここでは、郊外化とは無縁な、家族の繋がりを見ることができる。

家族揃って、朝の10時30分から(大食堂のオープンの時間である)、マルカンデパートでそろって食事なのである。朝の10時30分である。考えられるだろうか。

きっとこの施設が出来たばかりの頃は、その新しさと収容人員に、アッと驚く施設だったに違いないが、それがそのまま育って、今では、アッと驚く大集合パノラマレトロ食堂となっている。

もっとも街の周りは郊外化が進んでいて、ほんの僅かな中心地の一画だけが、この街の強度を保っているように思える。でもこの強度が花巻花巻らしさなのだ、と思うのだ。

この日は村上さんがいたものだから、念願のソフトクリームをオーダーし撮影会とあいなった。ちょっと大袈裟な云い方かもしれないが、この1個170円のソフトクリームが持つ引力は空恐ろしいものがある。

だいたい、大の大人の、糖質制限食(糖尿病患者なもだ)の権化のこのあたしが、(糖質制限食故に)何年ぶりかで見たこのソフトクリームのとりこになってしまう。じつに不思議な食べ物なのだが、最後まであたしの口に入ることはなかったのだ(よく我慢したぞ、あたし)。

マルカンデパート大食堂
岩手県花巻市上町6-2