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『五色の舟』 株式会社KADOKAWA 紙の本の価格:\842 |
五色の舟
午前6時15分起床。浅草はくもり。久々の書評だけど本は本棚一つ位は読んでいた(大袈裟ではあるが)。その本を全て書くことは不可能だろし書く気も無いのだが、この『五色の舟』は最近Kindleで読んだものだ。
Kindleでは相変わらず漫画ばかり読んでいるのであるが、兎に角(Kindleで)文字を読むと眠くなる癖はそのままなのでまあ良いだろう(、と勝手に思っている)。
漫画は何時読んでも漫画ではある。
しかし、このはなしはちょっと変わっていて、所謂「異形」の人達のはなしであり、それを見世物興業として生業を立てていた人達(一家)のはなしである。それも広島に住み戦中を生きていた。
左の絵はp64の戦時中の原爆ドーム=広島県産業奨励館であるが、このはなしでは広島県産業奨励館が原爆ドームにならずに済んでしまうのだ。つまり=(イコール)ではない。
いや、原爆ドームになる世界もあるのだが、ならない世界もある、と書いた方がいいかもしれない。
それも人の顔をした牛「くだん(件=人+牛)」が出てきてであるが、その登場の仕方があまりにも自然なのだ。
はっきり云ってこの手の漫画には出合ったことはない。
強いて(あたしの愛読書の世界で)云えば、(漫画の中で)宮本常一か網野善彦に出合った、というところだろうか。
この漫画、人の顔をした件(くだん)が出てくるところからSFチックになってくるが、雰囲気はSFぽくないのだ。つまりは違う舟にのるのであるな、と書いてもわかんないだろうな、とまあ、機会があったら読んでみるべしなのだ。