春菊天そば春菊天そば


春菊天そば

午前5時起床。浅草は雨。この日は「文殊浅草店」でランチだったのだが、珍しく何を食べるのかは最初から決めていた。それが「春菊天そば」である。店に着くなり自販機で「春菊天そば」を選び。それをカウンター越しに職人さんに渡すのだ。「蕎麦で!」と云うのを忘れてはならない。

しばらく待つと、あの赤みの強い汁の上に、ぽんと「春菊天」の載った蕎麦が出て来る。その「春菊天」をまじまじと観察するだ。なかなか立派な春菊である。今では誰も気がつかないだろうが、春菊の旬は11~3月と聞く。今となっは一年中手に入るが、食べるのは冬だ。

しかし、春に花を咲かせるため春菊と呼ばれる。あたしは子供の頃、春菊の栽培を手伝った事がある。その頃は絶対に食べたく無いものの一つが春菊だったのだが、何時のまにか食べられるようになったのだ。この「何時のまにか食べられるようになったもの」は他にもある。

あげてみれば、牛蒡や茗荷もそうだなのだ。これはある年齢に達したときに、たぶん(何処かの)スイッチが入るのではないかと思っているが、この「何時のまにか食べられるようになったもの」の代表である「春菊天そば」を、わしわしと手繰る自分を、歳を取ったな、と思うのだ。[浅草グルメ]

文殊浅草店
東京都台東区浅草1丁目1-12 浅草地下街