ざるそばざるそば


翁そば

午前5時30分起床。浅草は晴れ。「翁そば」も終わりの時刻が近づいていた。あたし達は急いで中に入ると「ざるそば」をお願いしたのだ。「翁そば」も、コロナ禍の中、透明の衝立を立てて営業している。4人掛けの席に座ったのだけれど、明確に衝立で分けられるとちょっとばかし狭い。それで少し衝立を移動してもらった。

うん、これならなんとかなる、と思い「ざるそば」の到着を待つ。厨房では見たことの無い若い娘さんが調理をしていた。若いおかあさんが接客で、何時も接客をしているおかあさんはいなかった。まあ、遅いからな、と勝手に思う。厨房を見ると、若い娘さんの前で、おかあさんがぐるぐると何かをかき混ぜている。

あたしはこれを「カレー南蛮玉落とし」の時に見ていたが、(たぶん)カレーを蕎麦のタレと混ぜているのだろう、と思っていた。しかし。この行為を「ざるそば」でもするのか、と思う。もっとも、あたしらに後にお客さんが1人見えたので、その方の分がもしれない。いつかはこの「くるくる」の謎を解きたい(笑)、と思っている。

ざるそば

やがて「ざるそば」の登場である。この日は「翁そば」は二件目であったのでこれでお終いだ。しかし見よ、この「ざるそば」の姿を。この「ざるそば」は、手でちぎられた海苔の切れ端が美しい。これこそ「翁そば」の「ざるそば」の証だ。こんな格好いい「ざるそば」なんて他には絶対ないだろう。

麺は太いが、その麺が見えないほどの海苔を盛った「ざるそば」だ。まるで冷たい「花巻そば」である。そして蕎麦をつけ汁に運ぶ。そして食う。「手繰る」という上品な言葉は使えない。しかし、うまい、のだ。海苔を食う。海苔もうまい。

ずるずると音を立てて食べる。家人も音を立てて食べる。どうやら家人の方が食べるのがはやくてもうお終いのようだ。そして、早々と「そば湯」に手をだした。あたしは、もう食ったのかよ、と半分も減っていない蕎麦の山を見たのが、食べるのも遅い62才の夕餉なのだった。[浅草グルメ] [お蕎麦deランチ]

そば湯

翁そば

翁そば
東京都台東区浅草二丁目5-3