I歌橘とあたし歌橘とあたし


三遊亭歌橘

午前6時5分起床。浅草はくもりのち晴れ。昨晩(といっても妙に早い時間だったが)は三遊亭歌橘居酒屋浩司で呑んだのだ。

上の写真で、あたしの目の前にいるのが歌橘である。そしてあたしの左側に座るのが歌扇さんといって、何故か歌橘よりも歳上の弟弟子であり、女の人は歌橘のマネージャーさんなのである。

鶏皮ポン酢さすがに歌橘と呑むのは、彼が真打ちになってからは初めてであり(たぶん)、もちろんTVに出てメジャー(?)になってからも初めてのことだ。

そして、あたしが脳梗塞で倒れてからも初めてであるが、ちゃんと旦那(あたしだな)のよいしょは忘れずに、有ること無いこと喋りまくって(あたしを)たてていたのは、職業病とは云え、拍手ものの快挙である。

歌橘に云わせれば、あたしは"死に損ない"のあたしであり、よくぞここまで戻ってきた、ということなのだが(ほんとにそうなのだが)、それを聴いて、「あー、地獄八景亡者戯」みたいなものか(噺は全然違うが)、と訳の分からない事を考えていたりしていたのだ。

歌橘はこの時点でかなりできあがっていて、だいぶ呑んだ後と見えた。進まぬペースでハイボールを、ビートけたしの歌に合わせて呑んでいたが、あたしはまずはホッピーを氷り無しでもらい、次からはレモンハイをもらったのだ。

しかし、歌橘はどうも調子が出ないのである。それは(あたしが曰く)「芸の穴」なのだ、と思うことにしている。

「芸の穴」というのは、読んで字のとおり「芸に穴」が開いているのである。しかしその「穴」を埋めるのは、止めた方がいい。ただ穴があるからこそ、そこの「円」がただの「円環」か「メビウスの帯」たり得るのである。

ようは「円環」になるか「メビウスの帯」になるかの違いなのだが、それは全然ちがうのである。まあ、この人(歌橘)はこの人なりに芸を磨いて、どっちになるかを考えればいいのである。それが許されている時間は、まだまだ十分にあるのだから。ということで、歌橘、次は豚足食おうぜ。