やっぱり『群衆』だよな
午前4時50分起床。浅草は晴れ。
一昨日は「隅田川花火大会」の日だったが、岩手からお客さまが来られ、夕餉を一緒に取ることにした。
でもだ、浅草での一献は諦め、銀座の「ビヤホールライオン銀座七丁目店」に行ったのだ。
浅草は異常な混み具合で、とてもゆっくり吞んでいることろでは無かったのだ。
あたし達は銀座に着くと、少しだけまってが中に案内された。
しかし中に通されたとは行っても、この雰囲気は何とも云えないおのがある。
そう、まるっきし「高村光太郎」が詠んだ「米久の晩餐」そのものなのだ。
「食慾とおしやべりとに今歓楽をつくす群衆、 まるで魂の銭湯のやうに」。
まさに賑やかに吞むならここは最高なのだよ(笑)。
先ずは「ビール」と云うことで「サッポロ生ビール 黒ラベル」の(大)と(中)を頼んだ。
勿論、極上の生ビール【こだわりの「一度注ぎ」】である。
先ずはビールが届くと「枝豆」と「泉州水なすのカルパッチョ」、「イベリコ豚のグリル」、
そして「炒めスパゲティ ナポリタン」を頼んだのだ。
あたしは殆ど食べられない「炒めスパゲティ ナポリタン」をちょいとつまめば、これが相変わらずの出来の良さなのだ(笑)。
「スパゲティ」の太さといい、麺の柔らかさといい、そして甘めのソースの味といい、もう云うことがなかった。
うまいのだよ(笑)。
「枝豆」と「泉州水なすのカルパッチョ」、「イベリコ豚のグリル」もつまんだのだが、
これぞ The 酒肴、まさにビールを吞むための食べ物がここにありなのだ。
そんなものだから、あたしは「サッポロ生ビール 黒ラベル」(大)をお代わりして吞んだのだが、
あげくに「白穂乃香」ももらい、それでお終いにしたのだよ。
少し呑み過ぎかなと思ったのだが、いや、うまかったのだよ(笑)。
ぎつしり並べた鍋台の前を
この世でいちばん居心地のいい自分の巣にして
正直まつたうの食慾とおしやべりとに今歓楽をつくす群衆、
まるで魂の銭湯のやうに
自分の心を平気でまる裸にする群衆、
かくしてゐたへんな隅隅の暗さまですつかりさらけ出して
のみ、むさぼり、わめき、笑ひ、そしてたまには怒る群衆、
人の世の内壁の無限の陰影に花咲かせて
せめて今夜は機嫌よく一ぱいきこしめす群衆、
まつ黒になつてはたらかねばならぬ明日を忘れて
年寄りやわかい女房に気前を見せてどんぶりの財布をはたく群衆、
アマゾンに叱られて小さくなるしかもくりからもんもんの群衆、
出来たての洋服を気にして四角にロオスをつつく群衆、
自分でかせいだ金のうまさをぢつとかみしめる群衆、
群衆、群衆、群衆。 (高村光太郎:「米久の晩餐」より
ビヤホールライオン銀座七丁目店
東京都中央区銀座7丁目9-20 銀座ライオンビル1F