桃知商店よりのお知らせ

大人はどこへ行ったんだ?(ポール・クルーグマン)

ポール・クルーグマン

一番大事なのは、「どんな取引にも普通株を含むように求めている」ことだ。

どうしてこれがそんなに大事なのかって? この金融システムの一番の問題は、住宅バブルがはじけてその影響が、金融機関を過小資本におちいらせたことだからだ。ポールソンは最終的にしぶしぶと自分の計画を説明するに当たって、「価格がつくようになること」でこの問題が解決すると論じた。つまりいったん税金を投入して、問題のゴミに関連している住宅ローン市場が機能すれば、だれもが問題があるゴミにも今現在売られているよりはじっさいには価値があることに気づき、資本の問題が解決するというのだ。もちろん絶対なんて事はないが、僕が思うに、7000億ドルを希望的観測にはかけたくない。

その代わりに、きっとアメリカ政府は、いつも金融危機を終わらせるのにやってきた方法に落ち着くことだろう。税金を金融システムに資本として注入するのだ。もともとのポールソンの計画では、財務省は実際の価値以上で問題のあるゴミを買うことでこうしようとしていた。でもその見返りはなにもない。税金を支払ったものが得られるべきなのは、資本を提供したものが得られるのと同じものであるべきだ。一部の所有だ。それがまさしく普通株ということになる。
from ポールクルーグマン 金融危機への対応 - Translation Note(翻訳多謝!)
原文 Op-Ed Columnist - Where Are the Grown-Ups? - Op-Ed - NYTimes.com


午前5時30分起床。浅草はくもり。先日(9月24日)、ジム・レーラー ニュースアワーにポール・クルーグマン教授が出演していて、例の「米政府が不良資産買い取りに公的資金75兆円投入を提案したこと」についてコメントをしていた(写真)。クルーグマン教授の意見は、ようは上の引用のようなもので、ポールソン財務長官の計画はクソだと。w

クルーグマン教授の言っているのは、リチャード・クーさんの4種類の金融危機とその処理策でいえば、まさに(Ⅳ)で、慎重な不良債権処理と公的資金による資本注入、ということになる。まだ米国議会で結論はでていないけれど、こういうところで落ち着くのだろう(たぶん)。にしても、それがうまくいくかどうかはわからないけれども。

4種類の金融危機とその処理策
from BizPlus:コラム:リチャード・クー氏「リチャード・クーのkoo理koo論」
第11回「なぜ米政府はサブプライムで銀行救済に乗り出さないのか」

そして、 このフレーズだろうな。

だから大人のやり方は、金融システムを救済することをやるということになる。大きな問題は、大人がいるのかってことと、ちゃんと責任がとれるのかっていうことだ。

(略)

結論としては、議会には大人が必要で、この危機をくぐりぬけるためにやりとげる準備をしなければならない。でもまだ大人たちが責任者ではないようだ。from ポールクルーグマン 金融危機への対応 - Translation Note

それは、この国の議会も似たようなものだろう。

関連:恐慌型経済の復活とは、何を意味するのか? 端的に言えば、ここ数十年で初めて、経済の需要サイドにおける欠陥――つまり利用可能な生産能力に見合うほどの十分な個人消費がないこと――が、世界経済の繁栄の明らかな足枷となっているということである。(ポール・クルーグマン) from ももち どっと こむ|フレーズ

Track Back [1]

クルーグマン教授の不況対策

ちょっと前の11月17日の朝日新聞に、今年のノーベル経済学賞受賞者クルーグマン教授の不況対策についての提言が出ていました。論旨は「大不況克服へ巨額財政出動... 続きを読む

このページの上部へ

プロフィール

桃知利男のプロフィール

サイト内検索

Powered by Movable Type 5.2.13