巨峰栃木の巨峰


栃木の巨峰

午前6時起床。浅草は雨。鈴木鐵工の鈴木久史さんから「ぶどう」をもらったのだ。彼は久しぶりにあたしの暑気払いに来てくれた栃木の人だ。

鈴木さんあたしが入院する前、サイボウズでやった勉強会が最後だったと思うが違うだろうか。彼は少し太り立派な体になっていた。

一昨日の夕餉の時間にその「ぶどう」が一房だけ洗ってでてきた。大きな粒をひとつとって食べる。うんうまい。甘さが体に染み込んでいくのがわかる。

あたしは学生の貧乏な頃、もらってきた巨峰を食べて、そのままテーブルの上に置いておいたら、食べ滓が蟻だらけになった覚えがある。

でも何もない学生だったから、蟻だらけの食べ滓だけ捨ててまだ食えるところを洗って食べた。その時の甘さが一番旨いと思っていた。

栃木の巨峰なんて誰も思いつかないものを目の前にしたあたしは、何時もよりもよりも多く食べた。なるほどこれが栃木の巨峰か、とすこぶる付きで甘い実を食べた。たぶんあたしが知っている中でこいつが一番甘い。ただしあたしの記憶の中だけにある、あの学生時代の「ぶどう」とは比べようにも比べられないのだけれども。