砂場総本家の天ぷらそば
午前4時30分起床。浅草はくもり。さてこの日の
いや、ここはいいのだ。ゴチャゴチャした店内が、まるでジョイフル三ノ輪のように何気なく語ってくる。店の関係者が古いアイビーファンだとみえ、VANジャケットのシャツが洗濯屋の袋にはいって飾ってあった。それも相当古くからである。
それだけで、どうしようもない気取らない店だとわかる。そう、まるで街場の蕎麦屋なのだ。しかし街場の蕎麦屋なら近所にもある。だた違いはなにか、と聞かれたら、何かはわからないが、店の飾り物が全部古臭いし、整理もされていないのだ、と答えよう。要するにゴチャゴチャしているのだ。
あたしはここで「天ぷらそば」を頼んだ。何と云っても「メンコロ」の後である。普通の(要するに海老天が一本だけの)天ぷらそばで十分なのである。やや時間が掛かって天ぷらそばのおでましだ。いい形をしているが、しかしレンゲはなんだと思う。日本の料理にレンゲなんていらない。
汁を飲む。醤油の赤が黒に変わる寸前といったこの汁は、醤油の味が勝っていて、賞味辛い。成る程こういう味なのか、と思う。更に七味を振りかけた。蕎麦は細い。だが、その細さが口に合う。うん、うまい。久しぶりの老舗の天ぷらそばは成る程な味なのだ。
砂場総本家
東京都荒川区南千住1-27-6